関心が高まるプログラミング教育。ゲームなどを用いた「未来の学びコンソーシアム」の実施事例

小学校でプログラミング教育が必修化される2020年度を前に、保護者のプログラミングへの関心が高まっています。イー・ラーニング研究所が2018年12月に20代~50代の子どものいる親を対象に行った「年末年始の習い事アンケート」では、保護者間で話題になった習い事や2019年にさせたい習い事として、「プログラミング教室」が最も多い回答になりました。

 

文部科学省と経済産業省、総務省はIoTの学びを推進し、「プログラミング的思考」などを育むプログラミング教育の実施に向け「未来の学びコンソーシアム」という取り組みを進めており、ウェブサイトでプログラミング教育の実施事例などを紹介しています。その中から、子どもが楽しみながら取り組める「教育版マインクラフトを活用したプログラミング的思考学習の推進」と「CSR活動を通した持続可能な教育モデルづくり~自動ドアの制御~」を取り上げます。

 

ゲームを通して取り組む意欲を高める

「教育版マインクラフトを活用したプログラミング的思考学習の推進」は、全世界で利用されている「マインクラフト」というゲームに着目した取り組みです。ゲームではクリアしなければいけない課題は特になく、プレイヤーは自由に建築などの町づくりや、電子ブロックのような仕組みを利用した回路やギミック開発などが行えるのが特徴です。ゲームとしての人気の高さもあり、マインクラフトを活用した学習活動は子どもの取り組む意欲が強くなる傾向があり、プロジェクト型学習や問題解決型学習に適しているといわれています。その一方で、知識や技能を習得し、その上で活用できるようになることを目的とした学習では用いられない傾向があったため、その効果が検証されました。

検証は高知県と徳島県の5校の小学校を対象に行われ、マインクラフトに対する興味関心が取り組む姿勢を後押ししている様子が見受けられるなどと報告されています。

 

社会科見学と教材キットのプログラミングを用いて社会科への知識を深める

「CSR活動を通した持続可能な教育モデルづくり~自動ドアの制御~」は、学研のノウハウを取り入れて、企業がCSR(企業の社会的責任)の一環として自社事業(製品やサービス)をテーマとしたプログラミング教育モデルを構築するというもので、ナブテスコの自動ドアの製造工場で実証講座が行われました。この講座は社会科見学とプログラミング講座をミックスした内容で、小学校5年生社会科の「我が国の工業生産」の学習とともに自動ドアを制御するプログラミングについて学べるという内容です。

 

実証講座は、自動ドアの仕組みを学び、アプリケーションソフトの操作やプログラミングの考え方を理解し、学研の教材キットを用いて外面からは赤外線センサー、内側からはタッチスイッチで反応する自動ドアをつくった後、自由な発想でオリジナルの自動ドアを作るというもので、企業と児童の満足度を高めたなどと報告されています。

 

こうした取り組みでは、多くの児童が前向きに参加し、プログラミングへの理解を深めたことが示されています。「未来の学びコンソーシアム」のウェブサイトでは、ほかにも多くの実施事例が掲載され、様々な形でプログラミング教育が試され、進められていることがわかります。