読解力・思考力・表現力の3つを支える能力を測る「論理文章能力検定」

日本人の基礎学力の向上や、継続的な学習習慣の実現による入試社会からの脱却などの目的を掲げて活動する基礎力財団では、「ものごとの筋道」を指す「論理」のスキルを身につけ、養うことを目的とした「論理文章能力検定」という検定試験を実施しています。一部の学校では大学入試で活用されており、「論理」力を身につけて、入試や学校での勉強などに対応できるようにもなります。今回は論理文章能力検定の特徴や大学入試での優遇の例など、大学受験に関係があるこの検定のメリットを紹介します。

 

将来を切り拓くために必要な能力を養う検定試験

論理文章能力検定では、自分の将来を切り拓くには、適切な情報・課題を見出すための「読解力」と課題解決策を筋道立てて考えられる「思考力」、解決策をあらゆる人に伝え理解してもらう「表現力」の3つの力を指す「言語運用能力」を養うことが大切であるとして、言語運用能力の3つの能力を結びつけて支える要素に「論理」があると捉え、これらを総合的に養うことが目的とされています。この検定試験では「漢字・語彙力」と「論理的言語力」「論理的読解力A(文章を論理的に読む力。趣旨を的確に把握する力。小説などを客観的に読む力)」「論理的読解力B(文章構造を論理的に解析する力。文と文との論理的関係、段落と段落との論理的関係、文章全体の論理構造を把握する力)」「論理的思考力」「論理的表現力」を測ります。

 

論理文章能力検定の優遇の例

論理文章能力検定の実施レベルにはLEVEL0-1、2-3、4-5、6-7、8-9、10、Businessの7段階があり、このうちLEVEL8-9が中学生・高校生・大学生を対象にしています。AO入試や推薦入試に論理文章能力検定を活用しているケースもあり、「書類審査の際、参考にする」「自己アピールの一つとして参考にする」「点数加算」、または出願条件の「高等学校在学期間に、各種資格・検定を取得あるいは合格した者」の対象に含めるなど、各学校が様々な形で評価に反映させています。

 

論理文章能力検定を通して養われたスキルは入試に活用できるだけではありません。大学での論文発表や日々のコミュニケーション、そして社会に出てからの企画書や資料の作成やプレゼンテーションなど、様々な場面で役立ちます。

 

論理文章能力検定では受検や学校での勉強に留まらず、大学や社会に出てからも活用できる能力を測ります。「論理」力を身につけるためにこの検定に注目してみると良いでしょう。