留学への関心は増加傾向。高校生の留学をさらに促進する取り組み

文部科学省が、官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム【高校生コース】」の第5期派遣留学生の応募が過去最多だったと発表しました。また、留学ジャーナルがまとめた「留学白書2018」では、高校生までの留学相談件数が昨年に比べて12%増加しており、7年連続で増加していることを伝えています。それでも高校生全体に対する割合をみると留学生の数はまだ少なく、トビタテ!留学JAPANでは海外留学者数を増やすための取り組みを進めています。

 

高校生の留学率はわずか1%

トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム【高校生コース】の第5期派遣留学生の募集では、採用予定人数680人に対して2,595人からの応募がありました。この人数は過去の募集の中でも最大で、昨年の応募生徒数1,781人に比べても大きく増加しています。しかしながら、日本の高校生の留学率はわずか約1%と低い割合に留まっています。トビタテ!留学JAPANでは、2013年の発足から「2020年までに日本人の海外留学者数を倍増させる」という目標を掲げています。この目標の達成に向けて、2018年に「♯せかい部」と、WEBムービー「高校生の留学ドキュメンタリー」の公開という2つの取り組みを行いました。

 

留学に対するハードルを下げる2つの取り組み

「♯せかい部」は、全国から集まった現役高校生の運営メンバーが主体となり、部員がハッシュタグ「♯せかい部」をつけて海外ならではの動画や写真を投稿しあう「ソーシャル部活動」です。これは高校生の周囲に留学のロールモデルがいないことに着目した活動で、「留学した若者たちは、留学の前段階のステップとして旅行などの手軽な海外体験を経ている」「高校時代に海外渡航経験がある学生は、その後約7割が留学する」というデータを参考に企画されました。まずはSNSで楽しみながら海外の魅力を知ってもらい、旅行などで気軽に渡航を実現してもらうことが目的です。

 

また「高校生の留学ドキュメンタリー」として、2018年の夏休みに初めて留学した2人の高校生の生活を追いながら、それぞれの変化や成長を捉えたドキュメンタリームービーを公式ウェブサイトで公開しています。高校生が留学に消極的な理由として言葉の壁が挙がっており、言葉の壁を乗り越えてコミュニケーションができると伝えることに大きな意味があると考えたことや、生活に対する不安や情報不足が原因で留学に消極的なイメージを抱いている高校生に、リアルな留学の様子を伝えようと、このような動画が公開されました。

 

日本の高校生の留学の9割近くが1ヵ月未満の短期留学を経験していますが、10代に家族と離れ、異文化の同世代と交流を図ることで、短い期間でも価値観に影響を与え、今後の学びの大きなきっかけになります。留学に興味があるけど不安も感じている高校生は、ここで紹介した取り組みに注目して、留学について考えてみてください。