企業が小学校プログラミング教育の充実をサポート

2020年度から実施される小学校のプログラミング教育に向けた支援をしている「未来の学びコンソーシアム」は、2019年9月を「未来の学び プログラミング教育推進月間」と設定し、企業と連携して様々な取り組みを展開します。すでに多くの企業の協力によるプログラミング体験を含めた総合的な学習の時間の指導案が用意されており、それぞれの企業の特色を活かしたプログラムが提案されています。今回はこの「未来の学び プログラミング教育推進月間」の内容を紹介し、具体的な取り組みの例として、Apple JapanとNTTドコモ、LINEが提案するプログラムの概要をお伝えします。

 

総合的な学習の時間を利用してプログラミングへの理解を深める

プログラミング教育推進月間は、総合的な学習の時間を利用して企業の最先端の取り組みを知り、同時にプログラミング体験で理解を深め、児童が各自の課題に探求的に取り組める活動を行います。この活動を支援するために多くの企業が協力し、プログラミング体験を含めた総合的な学習の時間の指導案が用意されました。指導の実施形態は、大きく「企業訪問」「講師派遣」「教材提供」の3つに分かれています。

 

プログラミングを活用して地域の課題に向き合うApple Japan協力の取り組み

企業訪問による指導の1つとして、Apple Japanの協力による「プログラミングの基礎を学んで、地域の課題を解決するアプリケーションをデザインしよう」と題された取り組みが提案されています。これは3次の段階に分かれており、1次では地域の課題を調べて発表し、2次ではSwift Playgroundsという教材を活用してプログラミングの基礎を学び、3次では1次で扱った地域の課題に立ち返って、この問題の解決につながるアプリケーションを考えます。その後はアプリケーションのプロトタイプを作り、最後に考えたアイディアと作成したプロトタイプを発表します。

 

NTTドコモ提供の教材を活用して未来の生活を考える取り組み

NTTドコモによる教材提供という形で提案された「プログラミングを生かしてよりよい生活に」は、1次と2次に分かれています。1次は提供されるembotという教材を題材にロボットプログラミングを体験し、ロボットと過ごす未来社会に関係がある課題を設定します。また、現在の社会でどのようなロボットが活躍しているのか調べたり、NTTドコモが目指す未来の生活について、動画と資料で学習します。最後にロボットが活躍しそうな分野について整理し、発表します。2次では身の回りの生活を良くするプログラムの作成を課題に設定し、もう1つの教材であるScratchを学習します。その上で身の回りの生活でプログラミングが活かせる題材を探し、設計したプログラムで目的の実現を目指します。

 

最終的には、作ったロボット・プログラムを他の人に使ってもらって、集まった感想を整理し、分析します。そして、それまでの活動の内容をまとめ、ロボットと過ごす社会について発表します。

 

地域の魅力の発信を通してLINE Botへの理解を深める取り組み

LINEの協力による「見つけよう 伝えよう わたしたちのまちの魅力」というタイトルの授業では、1次で地域の魅力を発信することを題材にして、話し合いで課題を設定し、アンケート調査や町に詳しい人の話などから情報を集め、内容をまとめます。2次ではブロック言語でLINE Botを開発できるツールを教材に、LINE Botをプログラムします。最終的に、自分たちの町の魅力をLINE Botで発信するプログラムを発表します。

 

紹介した3つの授業では、児童にとって身近なテーマを設定し、課題の解決にプログラムを活用しており、こうした取り組みによってプログラミングの理解が深まることが期待されます。