都立高校入試に民間資格・検定試験を活用したスピーキングテストを導入予定

東京都教育委員会が、2021年度から都内公立中学校3年生などを対象に、民間資格・検定試験を活用した「東京都中学校英語スピーキングテスト(仮称)」を実施すると公表しました。東京都教育委員会は2018年4月から英語のスピーキングの技能の評価などに関する具体的な内容について検討を進めており、その結果を報告書としてまとめています。さらに、スピーキングテストの今後のスケジュールや全体概要などの現時点での予定をまとめた実施方針を策定しました。

 

東京都教育委員会がスピーキングテストを導入する目的

「東京都中学校英語スピーキングテスト(仮称)」は、中学校で学習した英語の4技能(「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」)のうち、「話すこと」についての習得状況と指導に関する成果と課題を検証して、学習指導要領の目標を達成できるように指導の充実をはかるために実施されます。また、現在の都立高等学校入学者選抜英語検査で実施されていない「話すこと」についての評価の導入や、高校入学後の生徒一人ひとりの個性に合わせた4技能の指導を充実させるためにも、スピーキングテストの結果が活用される予定です。

 

民間の資格・検定試験に求める条件と今後のスケジュール

東京都教育委員会は民間の資格・検定試験の公募と選定を行い、中学校での指導の改善と充実、そして都立高等学校入学者選抜に活用する予定です。試験実施団体には、中学校検定教科書や東京都教育委員会が指定する教材に基づいて、基礎的・基本的な知識と技能の定着や思考力・判断力・表現力などを見ることを目的に、出題内容を決めることが求められています。

 

また、実施方式はタブレット等の端末及びヘッドセットを使用し、端末の画面及びヘッドセットからの音声による出題に対し、解答音声を録音する方式で実施される予定です。ほかにも、受検回数は各受検者1回とすることや、実施会場は原則として大学等の外部施設を利用することなどが予定されています。今後は2019年度に一部抽出校の3年生を対象にしたプレテスト、2020年度に都内公立中学校の第3学年全生徒を対象にした確認プレテストを行い、2021年度に都内公立中学校3年生の全生徒と都立高等学校入学者選抜の受検予定者を対象にしたスピーキングテストを実施する予定です。

 

東京都では小学校から中学校までの一貫した英語教育の充実を目指して、中学校の教員を対象にした指導方法と評価方法の改善や、高等学校での使える英語の習得を目指した外国人の英語等の指導補助員の配置など、様々な取り組みを行っています。民間の資格・検定試験を活用したスピーキングテストの導入により、こうした外国語指導の一層の充実が期待されます。