大学・短期大学入試で活用される漢検と文章検

日本漢字能力検定協会が、2018年の8月から11月にかけて、全国の大学・短期大学1,071校を対象に、漢字の読み書きと運用能力を測定する「日本漢字能力検定(以下、漢検)」および論理的な文章能力を客観的に測定する「文章読解・作成能力検定(以下、文章検)」の入学試験等での活用状況調査を実施しました。その結果、漢検は2校に1校以上、文章検は3校に1校以上の学校が評価・活用していることがわかりました。

 

半数以上の学校が「漢検」を活用

日本漢字能力検定協会は「全国学校総覧2018年版」に掲載されている大学・短期大学1,071校に調査用紙を送り、1,036校から得られた回答をまとめました。漢検を評価・活用していると回答した大学は409校、短期大学は199校で、約52%の大学と短期大学が入試で活用していることがわかりました。入試種別の内訳としては、推薦入試が353校(大学236校・短期大学117校)、AO入試が338校(大学242校・短期大学96校)、一般入試が95校(大学46校・短期大学49校)でした。これらの活用のケースでは、漢検2級から準2級以上を要件とする学校が多くみられました。

 

活用の方法でもっとも多かったのが、申請があれば入試時に参考にするというもので、400校(大学274校・短期大学126校)がこの方法で活用していると回答しています。このケースでは取得級の設定がない学校が多かったものの、指定がある学校の多くが2級から3級を挙げています。

 

学習意欲を示す方法に利用できる「文章検」

漢検と同じ1,036校から得られた回答をまとめた結果、450校(大学315校・短期大学135校)が文章検を活用していると回答していることがわかりました。入試種別ではAO入試が270校(大学202校・短期大学68校)、推薦入試が230校(大学161校・短期大学69校)と特に多く、調査書や面接などでアピールできる資格として活用されています。

 

活用種別の内訳では「合否判定考慮・参考」と回答した学校が363校(大学256校・短期大学107校)ともっとも多く、学習意欲の指標や自己PRの資料として総合判断する場合に用いられています。また、出願要件の1つもしくは出願要件を緩和すると回答した学校は45校(大学35校・短期大学10校)、点数加算と回答した学校は61校(大学40校・短期大学21校)あり、志望校によっては幅広く活用できる検定試験であることが示されています。

 

漢検も文章検も、受験以外の学力向上にも役立ち、受験にも活用できる検定試験です。そうしたメリットに注目して、受検を検討しましょう。