東京都が2000人の保護者を対象に子どものスマホ利用を調査

 

東京都の都民安全推進本部は5月9日、「家庭における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用に関する調査結果報告書」をまとめ、公開しました。

 

都内在住で小学生から高校生までの子どもにスマホやケータイを持たせている保護者2000人を対象にしたもので、それらの使用実態を調査することで有害サイトへのアクセスを防止するフィルタリングの重要性と必要性の啓発を図るのが狙いです。

 

子どもにスマホやケータイを持たせることについては、保護者としても悩むところが多いのではないでしょうか。以下、ポイントとなる部分を見ていきましょう。

 

まず子どもが利用している機器は、重複回答で「スマートフォン」が65.5%でトップ。以下、「携帯電話」(38.0%)、「携帯ゲーム機」(26.0%)。特にスマホの所有率は、小学生低学年(37.2%)、小学生高学年(38.6%)なのに対し、中学生(89.2%)、高校生(97.0%)と、年齢が上がるのに伴って上昇しています。

 

 

寝不足が最大の影響。SNS・コミュニケーションでトラブルも

 

1日の利用時間は、「30分未満」(38.5%)、「1時間以上2時間未満」(17.1%)、「2時間以上3時間未満」(13.1%)。1日に3時間近く使っている子どもが1割以上いることに驚かされます。

 

使用目的は、「電話」(71.2%)、「メール」(60.8%)、「SNS・コミュニケーションアプリ」(49.7%)で、メールやSNSも半数以上に上ります。そこで気になるのがSNSやインターネットで子どもがやり取りしている相手の把握状況です。結果は、「ほとんど把握している」(37.9%)、「ある程度把握している」(32.8%)を合わせて7割。これに対し、把握していない保護者も3割に達しているのです。

 

スマホやケータイの使用による影響やトラブルの報告もされています。どのような影響があったかは、「夜遅くまで携帯電話・スマートフォンを使用し、睡眠不足になった」(19.6%)、「親子間の会話が増えた」(11.2%)、「親子間の会話が減った」(11.2%)でした。1日3時間も使っていれば寝不足になるのは当然でしょう。

 

トラブルの実態では、「トラブルにあったことはない」が69.2%でしたが、「トラブルにあったかどうかわからない」(16.7%)、「SNS・コミュニケーションアプリが原因で、友達等とトラブルになった」(5.9%)など、把握できていないケースやトラブルの報告も見逃せない数になっています。

 

 

2割の保護者がフィルタリング未使用で放任状態

 

こうした実態に対して保護者としてできることは、家庭でのルール作りやフィルタリングなどの安全対策です。

 

具体的なルールの内容は、「利用する時間の制限」(35.2%)、「困ったときはすぐ保護者へ相談すること」(33.5%)、「利用する際のマナー(誹謗中傷することは書かない等)」(27.7%)。また、ルールの決め方は、「購入前に親子で話し合って決めた」(41.5%)、「購入後に親子で話し合って決めた」(21.4%)、「購入前に親が決めた」(17.3%)。

 

ただし、大事なのはルールが守られているかです。「守られている」(32.4%)、「だいたい守られている」(51.0%)など守られている家庭が多数派ですが、「あまり守られていない」(11.3%)、「守られていない」(3.8%)と守られていないケースも少なくはありません。

 

一方、フィルタリングサービスの利用状況は、「フィルタリングサービスに加入しており、フィルタリングの設定も行っている」(39.8%)と「インターネットが使えない機種・設定になっている」(20.8%)が優勢でしたが、「フィルタリングサービスに加入していない」(19.6%)保護者が約2割いることも見逃せないポイントです。

 

子どもにもプライバシーはあります。しかし、未成年の子どもに対しては保護者としての監督責任も放棄できません。最低限、保護者としては家庭でのルール作りやフィルターを掛けるなどの対策を講じることが必要です。

 

出典:東京都都民安全推進本部(家庭における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査)http://www.tomin-anzen.metro.tokyo.jp/chian/tyousa-keikaku/riyou-tyosa/chousa/30keitaichousazenbun.pdf