余裕がある小学校4年生ごろに始めるのがベスト

 

中学受験で大切な志望校選び。どこの中学校に入りたいか決めずに、ただ闇雲に勉強してもよい成果は期待できません。試験問題には学校ごとの特徴があるでしょうし、偏差値だけを頼りに決めるのでは、その後の学園生活に馴染めない可能性もあります。

 

志望校を選ぶうえで欠かせないのが学校見学です。目星を付けた学校に実際に行って、先生の説明を聞くとともに、生徒の表情や態度を観察、校舎や教室の状態を見学します。

 

学校見学は、中学受験の準備を始めるとはいってもまだ余裕がある、小学4年生ぐらいから始めるのがベストです。子どもを同伴したいところですが、リストアップの段階でしたら保護者だけでも構いません。志望校がある程度絞り込めたら、できるだけ子どもを連れて行きましょう。

 

 

学校説明会、合同説明会、体育祭、文化祭などに参加

 

学校見学のチャンスは少なくありません。まず学校説明会が挙げられます。どこの学校でも学校説明会を行っていますので、学校のホームページなどで日程を確認してください。

ホームページにその記述がなかったら、直接電話で確認しましょう。日程が過ぎてしまっていても、次の日程や単独での学校訪問を受け付けているか質問してください。

 

学校合同説明会というイベントも行われています。首都圏の私立中学では、地域ごとに複数の学校が参加し、合同説明会を実施。校長先生が講演したり、ブースを設けて学校案内を配布したりしているので、効率的に情報を集められます。

例年、入学試験が終わった3~6月ぐらいの間に多く行われますので、これも学校に問い合わせてみてください。

 

体育祭や文化祭に行ってみることも有効です。学校説明会ではわからない、生徒たちの素顔が垣間見えるかもしれません。

こうしたイベントでは、来場している保護者の言葉遣いや服装にも気を配りましょう。それは将来わが子が机を並べることになるかもしれない生徒の、保護者の姿だからです。

 

 

無理のない通学時間の学校を幅広くリストアップ

 

それでは、志望校のリストアップはどのように進めればよいのでしょうか。前提として大事なのは通学時間です。自宅から学校まで、徒歩と公共交通機関を利用して1時間以内が理想です。長くても片道1時間30分が限度ではないでしょうか。通学時間だけではなく、乗り換えの手間やラッシュアワーの時間帯も調べておく必要があります。

 

志望校の難易度は幅広く構えてください。偏差値でいえば、プラスマイナス10ぐらいの間からリストアップしてはどうでしょうか。上位校だけではなく、安全圏と思われる学校もリスト化しておきましょう。

この段階の子どもの学力向上は目を見張るものがあります。とはいえ、安全圏の学校も見ておかないと後々慌てることになりかねません。安全圏の学校にも、気に入る学校があると思って探してみましょう。

 

 

気になるポイントのチェックリストを作ってメモを残す

 

学校見学で見るべきポイントはたくさんあります。例えば、家庭の教育方針と学校の教育方針が合っているかが挙げられます。家庭では伸び伸びと育てたいと思っていても、躾の厳しい学校でしたらミスマッチになってしまいます。

反対に生徒の自主性に任せる学校でも、単なる自由放任では保護者として心配になってしまいます。

 

学校の教育方針を知る早道は、校長先生の話を聞くことです。私立中学は基本的に教員の転勤がありませんから、校長先生はその学校を知り抜くベテランであり、エキスパートです。

時間があれば、これまでの教員生活の足取りも含めて、いろいろと質問してみたいところです。

併せて教職員の対応ぶりもよく見ておいてください。具体的なカリキュラムや生活指導については担当の先生が説明してくれるでしょう。

 

生徒の礼儀や生活態度の観察も大事です。きちんと挨拶できるか、靴や上履きが脱いだままになっていないか、掃除が行き届いているか、登下校や放課後の様子など、気になるポイントをチェックしていきます。

さらに校舎やグラウンド、施設・設備の状態、学校の立地や地域社会とのつながりなども確認しておきましょう。学校周辺の商店などで、生徒の評判について聞いてもよいかもしれません。

 

こうしたポイントは、チェックリストを作ってメモを残しておくことをお薦めします。複数の学校を訪問するうちに目も肥えてくることでしょう。志望校の絞り込みに必ず役に立つはずです。