トークやヒヤリングが苦手な日本人の弱点を克服

 

2020年から小学校で外国語(英語)が教科化されるのに伴い、注目されているのがSmall Talk(スモールトーク)です。保護者の方も子ども時代に、英語の授業の導入として行った記憶があるのではないでしょうか。

 

今回の新学習指導要領では、このSmall Talkに小学生から力が入れられています。早くから英会話に親しむことで、読めてもヒヤリングが弱い、書けても話せないという、日本人特有の問題点を克服するのが狙いです。

 

 

6年生では児童同士が身近な話題で会話

 

文部科学省の「小学校外国語活動・外国語研修ガイドブック」では、「Small Talkとは、あるテーマのもと、(英語で)指導者のまとまった話を聞いたり、ペアで自分の考えや気持ちを伝え合ったりすること」と説明されています。

 

5年生では、先生が英語で話し、その説明を日本語で聞いたり、先生と児童で簡単なやり取りをしたりする中で、先生が正しい英語に直していきます。児童の応答は日本語混じりの英語でも構いません。

6年生では、児童同士でのやり取りを中心に行うことになります。ここでは、好きな食べ物やスポーツ、行事や長期休暇の思い出などの身近な話題について「自分自身の考えや気持ちを楽しみながら伝え合う」としています。

 

Small Talkを行う意図としては、「(1)既習表現を繰り返し使用できるようにしてその定着を図ること」、「(2)対話の続け方を指導すること」の2点が挙げられています。

単元ごとの目的に沿って何度も繰り返すことでその定着を図り、先生や児童同士で対話する中で、英語でのコミュニケーション能力を養おうというわけです。

 

文科省のガイドブックには、Small Talkの目的や事例が豊富に紹介されています。また、Small Talkを文字と音声で体験できるYouTubeの文部科学省チャンネルにもリンクが張られていますので、ぜひ参照してみてください。

 

 

Google 翻訳を活用して家庭でSmall Talk

 

学校では単元の狙いを踏まえて行われるSmall Talkですが、ご家庭でも子どもと保護者で楽しんでみてはいかがでしょうか。短時間でも毎日続けることで、子どもの会話力は格段に向上することでしょう。

 

英会話と聞いて尻込みする保護者の方もいるかもしれません。しかし、心配は無用です。子どもと英語でトークする前に、予習をしておけばよいのです。

最近はインターネットの翻訳サービスやポータブル翻訳機の性能が向上、Small Talkのような簡単な英語なら問題なく翻訳してくれます。

しかも、翻訳した英文を正確な発音で読み上げる機能も備えているので、発音に自信のない保護者の方でも安心です。

 

おすすめはパソコンやスマホで使える「Google 翻訳」(https://translate.google.co.jp/)。スマホ版は、アプリをインストールする必要があります。もちろん、どちらも無料です。

使い方は難しくありません。

左側のボックスに日本語の原文を入力し、右側のボックスで訳したい言語(英語)を選べば、瞬時に英文に変換。ボックス下に現われるスピーカーマークをクリックすれば、英文を読み上げてくれます。

 

 

保護者も英会話の苦手意識を克服

 

試しに下記【1】の日本語を入力したところ、【2】の英文に翻訳してくれました。(「親」「子」は編集部が追加)

 

【1】入力した日本語

親:お帰り。お腹空いていない?

子:お腹空いた。

親:チョコレートがあるよ。

食べて良いよ。

子:チョコレート、食べたい!

 

【2】翻訳した英文

親:welcome home. Are you hungry?

子:I’m hungry.

親:There is chocolate.

You can eat it.

子:I want to eat chocolate!

 

こらなら、英会話に尻込みする保護者の方でも出来るのではないでしょうか。工夫することで、いくらでもバリエーションを作ることができます。

この機会に、子どもと一緒にSmall Talkを学び、英会話の苦手意識を克服してはいかがでしょうか。

 

出典:「小学校外国語活動・外国語研修ガイドブック」(文部科学省)http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1387503.htm