中学受験は3年計画で

中学受験は一般的に、長期的なスケジュールのもと、計画を立てて進める必要があります。

中学受験を成功させた親御さんの多くは、早い段階から計画的に準備を進めており、だいたい小学4年生から受験勉強をスタートするケースが多いようです。

 

もちろん3年間の準備が必須というわけではありませんが、早くから準備したほうが有利なことは明白です。では、4年生から受験勉強を始める場合、一般的にはどのようなスケジュールになるのでしょうか。

 

・1年目(4年生)

多くの進学塾では4年生からのコースが用意され、3年間かけて中学受験に必要な学習を網羅するようカリキュラムが組まれています。

そこで、4年生になったら、塾に通うことに慣れさせるところからスタートしましょう。

塾で習ったことを自宅で復習し、塾の宿題をこなし、そして塾に行って分からない問題を先生に聞きながら理解を深めるという一連の学習サイクルを、子どもに習慣づけることが何より大切な時期です。

 

・2年目(5年生)

5年生になると塾の学習内容は本格化します。多くの進学塾では5年生が終わるまでに、受験に必要な学習をすべて教えてしまうほどです。

また、学習と並行して志望校の選定に入ります。志望校に関する情報収集や学校説明会などに参加し、子どもと一緒に目標とする志望校を絞り込んでいきましょう。

志望校の絞り込みに際しては、公開模試を受け、志望校の合格ラインと子どもの偏差値を比較・検討します。

 

・3年目(6年生)

6年生に進級すると、進学塾では志望校別にクラスが分けられ、本格的な入試対策がスタート。試験の過去問題を反復的に学習し、弱点を補強していきます。そのため5年生の段階で、ある程度志望校を決めておく必要があります。

 

さらに、入試説明会への参加や出願書類の準備など、親御さんのタスクも増える時期です。

3学期に入る頃になると、受験当日に向けた体調管理や生活習慣を整えるなどの準備も欠かせません。

 

 

長期計画と短期計画を作ろう

 

受験へのスケジュールは長期計画と短期計画に分けて作成しましょう。長期計画とは一年スパンの計画で、年間のイベントを可視化し、何をいつまでにやるべきかを明らかにします。

また、「模試の偏差値を10上げる」「算数の月例テストで90点以上取る」といったおおまかな目標設定を長期計画の中に盛り込むと、子どもの目的意識を高めることができます。

 

短期計画は一週間単位のスケジュールで、曜日毎にやらなければならないことを明確にします。「月曜日の15時から18時までは算数の自習」というように、具体的に決めることが重要です。

 

小学生は自己管理やスケジュール管理が完全にできるわけではないので、ある程度は一緒にスケジュール管理をしてあげてください。

 

 

親の総合的なケアが何より大切

 

中学受験は子どもにとって大きな負担となります。遊びたい盛りの年頃であることに加え、学校のクラスで中学受験を目指しているお友達は少数派。周りの友達が遊んでいるのを横目に、自分は勉強に時間を費やさなければなりません。

 

また、志望校合格という目標達成に向けて、3年間という長い期間にわたり高いモチベーションを維持し続けるのは、大人でも難しいことです。ましてや10歳前後の子どもにそれを課すのは酷と言わざるを得ません。

 

途中でやる気を無くしたり、思うように学力が上がらずくじけたりすることもあるでしょう。そんな時には親御さんが根気よく励まし、子どものモチベーションを上げるような心理面でのケアが欠かせません。

心理面だけでなく、体調に気をつかった食事や子どもが勉強に集中できる環境を作るなど、総合的なサポートも必要になります。

 

中学受験は親子の戦いといえます。親のエゴの一方的な押しつけにならないよう注意し、子どもの意志を尊重しつつ、親子一丸となって志望校合格を目指すことが大切です。