人生を豊かにしてくれる「読書」

「高所得者は習慣的に読書をしている」「東大生は子どもの頃から読書が好きだった」という話を耳にする機会は多いはずです。

しかし、「読書は良い」ということを漠然と理解していても、なかなか読書を習慣化できない方も少なくないのではないでしょうか。

 

これからご紹介する「読書」がもたらす数々の効果を知れば、読書を習慣化し、子どもに本を読ませようと思うモチベーションも上がるはずです。

 

 

効果その1「国語力や文章力が身に付く」

読書をすることによって得られる最も代表的なものが、単語や言葉の言い回しといった語彙力です。読書を通じて自然と身に付きますが、分からない単語や漢字が出てきたら、都度辞書を引いて調べることで、より知識として定着します。

 

また、本というのは基本的に作家という「日本語のプロ」が書いているものです。そのため、読書を通じて正しい日本語や美しい文章表現に触れれば、自然と正しい日本語表現が身に付いていきます。

 

テレビや動画サイトなどを視聴していても知識や語彙力は身に付くかも知れませんが、日本語の口語と文語では大きな違いがあります。文語独自のルールや法則を身に付けるには、本は最高のツールです。

 

また、文章を書くのが得意な人は、大抵読書の習慣があります。本を読まない人が文章を書く段になると「何から書き始めればよいのか分からない」となりますが、日頃から本に親しんでいる人は、スラスラと書き始めることができるのです。

これは読書によって「文章のパターン」を覚えているからで、文語の言い回しやパターンさえ覚えてしまえば、文章力はぐんとアップします。

 

 

効果その2「思考力や想像力が鍛えられる」

物語や小説を読んでいる最中、人はさまざまなことを考えます。登場人物の行動や発言に共感したり、あるいは嫌悪感を覚えたり、湧き上がる感情とともに「この人はなぜこんなことをしたのだろう?」「自分ならどうするだろう?」などと思考を巡らすはずです。

 

教養系の本であれば、文章から作者の真意を汲み取ったり、行間を読み解こうとしたりするでしょう。

このように、読書を通じて考えを巡らすことで、自然と思考力が鍛えられます。

 

また、本はマンガやコミックなどと違い、文章のみで物語を形成します。挿し絵などが多少入っていることもありますが、基本的には読み手が想像力を駆使して、頭の中に物語を作り上げる必要があります。

 

一種の記号に過ぎない「文字」から、頭の中に自然の情景や建物、人物の姿など、三次元の「映像」をイメージするのです。考えてみればこれはとても高度な芸当といえます。

このようなイメージ力を鍛えるには読書が最適であり、テレビやマンガでは鍛えることはできません。

 

 

効果その3「貴重な体験を疑似体験できる」

偉人の伝記や半生記などを読むことで、自分が体験したことのない世界を疑似体験できるというのも読書の魅力です。

また戦争体験記や、犯罪者を扱ったドキュメントなど、自分が体験したくないようなネガティブな出来事も、読書であれば追体験することができます。

 

これにより、さまざまな知識を得ることができると同時に、境遇が異なる人の立場になって考えることで、多様な価値観を身に付けることが可能です。

 

人格の形成には、他人の立場を汲み取る力が欠かせません。読書は人格向上にも大きく貢献するといっても過言ではないでしょう。

 

 

子どもに読書の習慣を付けさせるには?

では、読書を子どもに習慣付けるにはどうすれば良いのでしょうか。

 

「本を読みなさい」と無理やり押し付けてしまうのは良くありません。子どもが本嫌いになってしまっては本末転倒です。

幼い頃から絵本などに馴れ親しみ、徐々に本を好きになってもらうのが理想ですが、小学生や中学生からでも決して遅くはありません。本の楽しさや魅力が分かりさえすれば、自然と本を好きになり、自主的に読書するようになります。

 

とはいえ、最初から本の面白さが理解できるものでもありませんから、まずはきっかけ作りとして、親子で本屋や図書館に出かけてみてください。その帰りに喫茶店やレストランでデザートを食べるなど、何か楽しいことをセットで組み込んで、本屋や図書館に対して良いイメージを与えます。甘え盛りの子どもであれば、子どもを膝の上に乗せて一緒に読んであげるのも効果があります。

とにかく重要なのは「読書=楽しい」というプラスイメージを、子どもの心理に定着させることです。

 

また、リビングや子ども部屋など、常に子どもの目に入る場所に本棚を設置し、本を身近な存在として認識させることも大切です。

親が読書している姿を子どもに見せるのも効果があると知られています。子どもは親の背中を常に見ているものです。

 

これを機会に、親子で一緒に読書の習慣を身に付けてみてはいかがでしょうか。