高校入試を左右する「内申点」

公立高校を志望する場合や、私立高校の推薦入試を検討している生徒にとって、特に重要となるのが「内申点」です。

 

内申点という言葉を知っていても、どうやって算出されるのか、入試にどれくらい影響するのかといった、詳しい内容は知らないという方も少なくないでしょう。

 

そこで今回は内申点について詳しく解説し、内申点を上げるための方法もあわせてご紹介します。

 

 

「内申点」とは何か?

生徒一人ひとりの中学校での成績や学校生活をまとめた書類を内申書(調査書)といい、内申書に記載される点数が「内申点」です。

 

内申点は、通知表(通信簿)の評定が元になっており、学年ごとに9教科×5段階評価の45点満点で表されます。通知表では学期ごとに評定が付けられますが、三学期の評定がその学年の一年間の評価となっているので、内申書には三学期の評定が記載されることになります。

 

ただし中3の場合は、三学期が始まる前に高校入試があるため、二学期の通知表の評定が内申書に記載されます。例えば、中3の二学期の通知表が9教科オール4であれば、内申点は「9教科×4=36」です。

 

 

内申書に記載されるのは中3の成績だけ?

東京都は中3の成績だけが内申書に載りますが、神奈川県では中2と中3、千葉県や埼玉県では中1・中2・中3すべてが内申書に記載されるなど、都道府県によって異なります。

 

お住まいの都道府県がどのようになっているのか早い段階で確認しておくことが大切です。

 

 

内申点の算出方法は都道府県で異なる

内申点は「9教科×5段階評価の45点満点」と説明しましたが、実はこの算出方法も都道府県によって異なる場合があります。

 

例えば東京都の場合、実技4教科(音楽、美術、技術家庭科、保健体育)の評定を2倍にして計算します。よって9教科オール5だった場合、

5教科×5+4教科×5×2=25+40=65

となり、65点が満点です。

 

これは、実技教科は入試テストが行われないため、実技を頑張ってきた生徒も公平に評価する、という考え方に基づいているためです。

東京都の他にも、実技教科の評定に重み付けをしている都道府県はいくつか存在します。

 

 

内申書に記載される内容

内申書に記載されるのは、内申点だけではありません。

各学年における欠席日数や、特別活動の記録(クラス委員や学級委員での活動内容など)、部活動の記録、行動の記録、総合所見といった項目も記載されます。

 

通知表の成績だけでなく、どのように中学生活を送ってきたのかということも、合否の判断材料として使われることを理解しておきましょう。

 

内申書は合否にどれくらい影響するか?

公立高校の一般入試における合否判定は、学力検査(入試テストの点数)と内申書の両方が判断材料になります。どちらを重視するかについては、都道府県によって違いが見られます。

 

例えば東京都の場合は、学力検査7:内申書3の比率で判定しますが、中には内申書の評価が半分を占めるところもあるなど、その比率はまちまちです。

 

また、年度によって比率が変更されるケースもあるので、お住まいの都道府県の教育委員会のホームページなどで確認することをおすすめします。

 

 

内申点を上げるにはどうすればよいか?

内申点を上げるには、通知表の評定を上げる必要があります。では、この評定はどうやって付けているのでしょうか。

 

もちろん先生が何となく付けているわけではなく、「観点別評価」という基準によって厳格に評価が行われています。「観点別評価」とは、「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」の4つの観点について、それぞれA/B/Cの3段階で評価する方法です。

A/B/Cの数で、その教科の評定が決まります。

 

「関心・意欲・態度」は普段の授業態度が大きく影響します。提出物は必ず提出し、授業中の私語や居眠りを慎むだけでなく、積極的に挙手をして発言をしたり、分からない点を先生に質問したり、意欲的な態度を見せることが大切です。

 

「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」については、中間テストや期末テスト、小テストの点数で決まるので、日頃の勉強をしっかり行うことが内申点を上げる近道です。

 

入試の直前になって「内申点が足りない!」と焦ってもどうにもなりません。

早い段階から内申点について把握した上で、普段の授業に積極的な態度で臨み、健全な学校生活を送ることが何より大切です。