海外留学は今や当たり前の時代に

近年、海外留学をする学生の人数は増加の一途を辿っています。2017年度の海外留学生は10万人を突破し、これは2009年度の約3倍もの数です。※1

今や海外留学は決して珍しいものではありません。海外留学をしようと考えている方も少なくないでしょう。

 

今回は海外留学をするメリットや、海外留学の経験を無駄にしないためのポイントについて解説します。

 

 

メリットその1「語学力が身につく」

多くの人にとって、海外留学の主たる目的は語学力のアップでしょう。

学校やホームステイ先の家族をはじめ、お店の店員やバスの運転手、テレビやラジオなど、日常で関わる全ての人が外国語を話しています。海外で生活するだけで耳が外国語に慣れていきますし、会話でも外国語を使わなければならないので、おのずと語学力は鍛えられます。

 

日本にいても語学の勉強はできますが、会話力を身につけるのは難しいことです。

やはり、外国語を使わなければ生活できない環境に身を置くことが、語学力向上の一番の近道と言えるでしょう。

 

 

メリットその2「見識が広がる」

日本に暮らしていると、あたかも日本の文化や価値観が国際標準だと勘違いしてしまいがちです。しかし、実際に海外で生活してみると、文化やマナー、宗教的な考え方など、日本とはまるで異なる価値観を持った人々がいることを実感できます。

 

また日本人にとっては当たり前のことが、外国人にとっては驚嘆に値するようなことも少なくありません。外国人から日本に対する評価を聞くことによって、日本のことをより深く理解する機会にもなります。

 

 

メリットその3「交友関係が広がる」

留学先では現地の学生だけでなく、様々な国や人種の留学生が集まっています。自ら積極的にコミュニケーションを取っていけば、交友関係が広がるはずです。そこで得た人脈は貴重な財産となります。

 

 

メリットその4「就職活動に有利になる」

グローバル展開している大手企業や外資系企業は、語学力の高い人材や国際感覚に長けた人材が求められる傾向にあるので、海外留学の経験が就職活動で有利に働くことがあります。

 

海外留学での体験談は話しやすく、留学時に思ったことや経験したことを志望動機につなげるといった話の組み立て方も行いやすいため、自信を持って面接に望むことができるでしょう。

 

 

海外留学の際に気をつけるべきポイントとは?

このように、海外留学には多くのメリットがあり、学生のうちに経験しておきたいものですが、留学さえしておけば良いというものではありません。大事なのは「留学すること」ではなく「留学先で何をするか?」です。

 

ただでさえ、留学自体は特別なものではなくなってきています。他人と差別化を図るには、しっかりと目的意識を持って、計画的に留学期間を過ごし、何かしらの成果を得ることが重要です。

 

 

よくある海外留学の失敗談

これからご紹介する失敗談は、留学に対する目的意識が希薄な場合や、計画を立てていなかったことが要因となっています。

 

よく聞かれる失敗談としてまず挙げられるのは「観光や遊びがメインで何も身につかなかった」というものです。長期の海外留学は高い費用がかかることもあって、1ヶ月未満の短期留学が全体の半数以上を占めています。※1

1ヶ月などあっという間に過ぎてしまうので、限られた期間を有意義に過ごすには、事前の計画が欠かせません。

 

また「日本人とばかり過ごしてしまい、語学力が身につかなかった」という失敗談もよく聞かれます。

これは半年や1年といった長期留学の場合にも起こりやすく、慣れない海外生活に対する不安やストレスから逃れるために、つい楽な環境に身を置いてしまうことが原因です。留学前に強い目的意識を持っていれば、留学当初に経験する様々な苦労やストレスも「がんばって乗り越えよう」と思えるものです。

 

 

貴重な体験を最大限活かそう

海外留学には高い費用がかかることに加え、大学を休学したり、アルバイトを休んだりといった、日本での経験や時間を犠牲にして行うものです。

「金銭的・時間的な対価を支払っている」ということを念頭に置き、その対価に見合った成果を得ることができるよう、留学期間を有意義に過ごすようにしましょう。

 

 

※1 文部科学省『「外国人留学生在籍状況調査」及び「日本人の海外留学者数」等について』

https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/__icsFiles/afieldfile/2019/01/18/1412692_1.pdf