数々の著名人が受けた「モンテッソーリ教育」

かの巨大企業Googleの共同創始者、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンの両名に意外な共通点があることをご存知ですか?

彼らは子どもの頃にモンテッソーリ教育の学校に通っていたことが知られています。

 

他にも第44代アメリカ大統領のバラク・オバマや、Amazonを創設したジェフ・ベゾス、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ、Wikipediaの創設者ジミー・ウェールズなど、世界的に有名なリーダー達がモンテッソーリ教育を受けており、その特徴的な教育方針に注目が集まっています。

 

 

モンテッソーリ教育とは何か?

モンテッソーリ教育とは、イタリアの女性医師であるマリア・モンテッソーリが考案した教育法で、1907年に貧困層の子どもたちのために設立した「子どもの家」という保育施設において体系化されました。

以来、この教育法の効果が様々な分野で実証され、現在では世界各国に広まっています。

 

 

モンテッソーリ教育の特徴

モンテッソーリ教育は「子どもは生まれながらにして、自らを成長・発達させる力を持っている」という「自己教育力」がベースの考え方です。

子育てを経験した方なら思い当たる節があるでしょうが、赤ちゃんは歩くことを教えなくても自発的に歩こうとし、言葉を教えなくても自ら覚えていきます。

 

このように、人間の赤ちゃんには自ら学ぼうとする成長欲求が先天的に備わっています。周囲の大人は子どもの自発的な活動を邪魔することなく、安全に学べる環境を整え、適切な手助けをすることが重要であるというのがモンテッソーリ教育のスタンスです。

 

 

敏感期が重要!

モンテッソーリ教育を語る上で外すことができないのが「敏感期」という考え方です。

モンテッソーリ女史は、数多くの子どもたちを観察する中で「子どもは月齢や年齢ごとに、興味の対象が次々と移り変わる」ことに気付きました。

そして「子どもたちが様々な能力を獲得するのに最適な時期が存在する」という結論を導き出し、これを「敏感期」と名付けました。

 

例えば、赤ちゃんがある時期は石ころに異常な興味を示し、舐めたり手で転がしたりを繰り返したかと思えば、またある時期には紙やティッシュを破り続けたり、コップの水をわざとこぼしたりするなど、大人から見ると無意味に思える行動を示すことがあります。これらはすべて「敏感期」の表れであり、そのような行動から様々なことを学び取っているのです。

 

「敏感期」で重要なのは、危険を伴わない範囲であれば、極力子どもの邪魔をせずに見守ることです。なぜならそれらの行動は、子どもの脳や能力の発達に重要な役割を果たしているからに他なりません。

 

この他にも「敏感期」には、運動や感覚、言語、数、文化などに対する敏感期があり、それらが訪れる時期は子どもによって個人差があります。

「敏感期」を逃さないよう、周囲の大人たちは注意深く子どもを観察し、暖かく見守りながら支援してあげることが大切です。

 

 

モンテッソーリ教育の効果

それでは、モンテッソーリ教育の具体的な効果について見ていきましょう。

モンテッソーリ教育では、様々な特徴ある教具が用いられます。これらの教具は子どもたちが自発的に「やってみたい!」と思えるような工夫がなされており、子どもの自主性を何よりも尊重します。

これにより自主性や積極性が身に付き、子どもが元来持っている個性を伸ばすことができるのです。

 

また、先生は子どもたちの自発的な行動を見守り手助けをする「援助者」に徹し、子どもたちの作業を妨げたり、必要以上に口を挟んだりしないので、子どもの集中力を養うことに繋がります。

 

そして子どもたちがやりたいことを思う存分できるので、情緒の安定した子どもに育ちやすい点もメリットです。

 

その一方で、個性や自主性を重んじた教育法なので、やや協調性に欠け、集団行動が苦手になるといった指摘もあります。

子どもにモンテッソーリ教育を受けさせたいと考えている親御さんは、近所のお友達と遊ばせ、他の習い事で色々な子どもたちと触れ合う環境を作るなど、自主性と協調性のバランスを取ることも検討してみてはいかがでしょうか。