AO入試は総合型選抜へ名称変更

2020年度よりスタートする大学入試改革の一環で、従来のAO入試は「総合型選抜」に名称が変更され、選抜方法も学力を考慮する内容に変更される方針となりました。

 

そこで今回は、推薦入試を検討している人へ向け、総合型選抜の概要やAO入試・推薦入試との違い、総合型選抜に向けた対策方法などについて解説します。

 

2020年度より始まった4つの変更

文部科学省は2020年度より、大学選考に関して以下の4つの変更を行っています。

(1)大学入試センター試験 → 大学入学共通テスト

(2)一般入試 → 一般選抜

(3)推薦入試 → 学校推薦型選抜

(4)AO入試 → 総合型選抜

 

総合型選抜は、AO入試から名称が変わっただけではなく、選考内容も変更が加えられています。

 

 

AO入試とは?

総合型選抜の解説に入る前に、旧AO入試について軽くおさらいしておきましょう。

AO入試のAOとは「アドミッションズ・オフィス」の略で、学生の募集から選抜までの業務を行う事務局のことです。つまり、各大学の入学管理局が独自の判断基準で生徒を評価し、入学の可否を判断する選抜制度がAO入試です。選考方法は学力試験だけではなく、高校における成績や小論文、面接などもあります。

 

AO入試はひとつの定められた選考基準があるわけではなく、各大学によってさまざまな基準を設けているのが特徴です。面接などの対話を重視する大学や、書類選考や小論文の内容を重視する大学など、求めている学生像に合った生徒を、大学独自の基準で選びます。

 

また、高校が大学に対して生徒を推薦する学校推薦型選抜(旧推薦入試)に対し、AO入試は生徒本人が自己推薦という形で大学に出願する形態であるのも特徴です。

以前はそれほどメジャーではなかったAO入試ですが、年々希望者が増加するなど、人気が高まっていました。

 

まとめると、AO入試とは各大学が独自に判断して生徒を選抜する選考方法で、その推薦方法は学校推薦ではなく自己推薦の形式をとるというものです。

 

 

総合型選抜で何が変わったか?

AO入試は学力テストを実施しないケースや、成績基準を設けていないことも多く、一般入試組や推薦入試組と比較して学力が劣るという問題がありました。

 

そこで文部科学省は2020年度より、書類や面接のみで選考していた従来のAO入試を「総合型選抜」と名称変更し、学力評価を大学側に義務付けることを決定しました。

 

今回の入試改革は、文部科学省が推進する『高大接続改革』の一貫で、その目的は「知識・技能の確実な習得」「思考力、判断力、表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ姿勢」を育成し、評価することです。

 

AO入試を狙っていた生徒は、今まで以上に学力テストへの対策や、高校での成績評定にも意識するなどの対策が求められるようになります。

 

 

総合型選抜の対策方法

総合型選抜で目的の大学への入学を目指すには、どのようにすればよいのでしょうか。最も大事なポイントは、大学側が求める生徒像に沿って対策を講じることです。

学校推薦型選抜(旧推薦入試)とは異なり、各種提出書類は高校の先生ではなく、生徒自身が書く必要があるので、大学側が魅力に思うような内容を考えて書くようにしましょう。

 

志望動機書や、活動報告書(高校時代に力を入れてきた部活動・生徒会・ボランティア活動など)、学修計画書(大学に入ってどんな活動をしていきたいか)の内容が重要です。

 

そして今回から追加となる学力検査の対策も求められます。学力検査の内容は大学によって異なりますが、教科テスト、小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技などがあります。

 

総合型選抜では文字通り総合的な角度から人物を選考するため、ひとつの分野に偏らず、バランスの取れた受験対策を意識するようにしましょう。