ますます重視される英語資格・英語検定

大学入学共通テストの英語の評価に、民間の英語資格・検定試験が利用される「大学入試英語成績提供システム」の導入は、2024年度まで見送られることになりましたが、各大学では独自に民間の英語資格・検定試験の成績を選抜材料として活用する動きが見られます。

 

またグローバル化が加速する昨今、新卒採用する企業にも英語力の高い人物を採用したいとのニーズが広がっている状況です。英語資格や英語検定は今後ますます重視され、価値が高まっていると言えるでしょう。

おすすめの英語資格・英語検定とは?

英語資格や英語検定は種類が多いうえ、それぞれ特徴や用途、重宝されるシチュエーションが異なります。「英語の資格や検定を取ろうと思っているけれど、どれを選べば良いか分からない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで、数ある英語資格や英語検定の中からメジャーなものを厳選し、それぞれの特徴についてご紹介します。

 

 

受験者数の多い英語資格

日本での認知度が高く受験者数の多い英語資格・英語検定としては「英検」や「TOEIC」、「TOEFL」、「IELTS」が挙げられます。日本においては、「英検」と「TOEIC」の2つの資格が特に人気を誇っている状況です。

 

そのほか「大学入試英語成績提供システム」での採用が検討されていたものに「ケンブリッジ英語検定」や「GTEC」「TEAP」などもあります。

 

 

実用英語技能検定(英検)

実用英語技能検定(英検)は公益財団法人日本英語検定協会が実施する、歴史の長い英語検定です。

レベルごとに1級・準1級・2級・準2級・3級・4級・5級の7つの級があり、初心者から上級者まで幅広く受験できます。

 

英検の魅力は、高校や大学の入試や推薦において有利になったり、奨学金や学費の免除の条件となっていたり、さまざまな優遇措置が存在する点です。

国家資格の全国通訳案内士試験では、英検1級を取得すると英語の筆記試験が免除になるなど、他の試験でも優遇制度が見られます。

 

その一方、日本における英語検定なので外国での認知度は低く、留学などの際には、留学先の選択肢が狭まる可能性もあります。

 

 

TOEIC(トーイック)

TOEIC(Test of English for International Communication)は、日本では英検に次いで人気が高い英語試験です。アメリカのテスト開発機関「ETS」が開発、運営していますが、もともとは日本人が発案し、ETSに開発を依頼した「日本発」の英語試験です。

 

TOEICには、TOEIC LR(TOEIC Listening & Reading Test)とTOEIC SW(TOEIC Speaking & Writing Tests)の2種類の試験があり、一般的にTOEICと呼ばれているのはリスニングとリーディングの技能を判定するTOEIC LRのほうになります。

 

新卒や中途採用時の基準として使われることもあるなど、ビジネスや社会人向けの英語試験として人気が高い印象です。

 

TOEICは世界約160カ国で実施されていますが、受験者の多くは日本人で、それ以外の国ではそれほどメジャーではないとの指摘があります。また、全受験者が同じ問題を解くことになるため、初心者には難しすぎる場合も考えられるでしょう。

 

 

TOEFL(トーフル)

TOEFL(Test of English as a Foreign Language)は、アメリカのETSが主催している「アメリカ発」の英語試験です。英語圏の大学への留学を希望する者の英語能力の測定を目的として開発されたため、出題内容はアカデミックなものが多く、英検やTOEICとは異なる対策が必要になります。

 

英検やTOEICと比較すると受験料が高額なのはネックといえますが、留学をしたい場合は取得を検討しておきたい試験です。

 

 

IELTS(アイエルツ)

IELTS(International English Language Testing System)は、ケンブリッジ大学英語検定機構やブリティッシュ・カウンシルなどによって運営される「イギリス発」の英語検定です。

 

海外移住や留学のための英語熟練度を測ることを目的に作られていて、イギリスやオーストラリア、カナダなどに移住する際をはじめ、英語圏の大学への留学する際にもTOEFLの代わりとして使われています。

 

IELTSの受験者数はこの数年で急速に増え、世界140カ国、世界で年間350万人以上の受験者数を誇ります。日本でもIELTSの受験者数は増加しているなど、今後注目の英語検定です。

 

このように英語資格・英語検定は、それぞれ試験の特徴や目的が異なります。どのような場面で活用したいのかを明確にし、自分に最適な英語資格を選ぶようにしましょう。