注目度の高い「都立小中高一貫教育校」

2020年7月、東京都教育委員会は「都立小中高一貫教育校」の特色や募集概要を公表しました。小中高一貫教育校は、公立では全国初の取り組みとなることもあって注目を集めています。

 

「都立小中高一貫教育校」とはどのような学校で、どういった教育がなされるのか、募集概要や学校説明会についてご紹介します。

 

「都立小中高一貫教育校」とはどんな学校か?

東京都立小中高一貫教育校(仮称)は2022年4月に開校予定の、公立としては全国初となる小中高一貫教育校です。

12年間の一貫教育を通じ、自立した考えと発想により自ら未来を切り拓き、国際社会で活躍し貢献する人へと成長できるようサポートするという教育理念の基で運営されます。

 

校舎は東京都立川市にある、都立立川国際中等教育学校の道路を挟んで南側の敷地に建設される予定となっています。

校舎は2022年の夏頃、校庭は2023年夏頃に完成予定で、校舎が完成するまでの期間(およそ1学期間)は仮設校舎での学校生活となる模様です。

 

教育活動の柱としては、「探究的な学びの推進」と「語学力の育成と言語能力の向上」の2つが掲げられています。

 

 

「探究的な学びの推進」

教育活動の1つ目の柱である「探究的な学びの推進」では、「学習者に教える」指導ではなく、「学習者が自ら気が付く・発見する」指導を行い、自立した学習者になることを目指します。

学習者が自分で気付いたり、発見したりする学びのプロセスを認識できれば、新たな学習や学習の次のステップに自分で進もうとする意欲や勇気が湧き、更なる学びにつながるとの考えからです。

 

探究学習プログラムは、12年間で次のようなステップを踏んでいきます。

 

第1・2学年・・・「生活科」

第3〜9学年・・・「総合的な学習の時間」

第10〜12学年・・・「総合的な探究の時間」を活用し、「12年間のつながる探究プログラム」を実施

 

高校3年間にあたる第10〜12学年を細かく見ていきましょう。

第10学年では、これまでの集大成として約3ヶ月のリーダーシップ・アクションプログラム(国内における事前研修と、海外における調査研究やボランティア活動、帰国後の成果発表)を実施予定です。第11学年では探究活動の成果を学校内外で発信、第12学年ではキャリアプラン(進路実現)に向けてこれまでの学びを活用するとしています。

 

 

「語学力の育成と言語能力の向上」

2つ目の柱である「語学力の育成と言語能力の向上」においては、世界を舞台に活躍し、国際社会に寄与するために必要となるツールとしての英語力を育成することを挙げています。

 

また言語学習のための学習から一歩進めて、CLIL(内容言語統合型学習)的な指導により語学力を育成するとしています。CLILとは、教科または時事問題や異文化理解といった内容と、外国語の両方を合わせて教育する方法のことです。

 

加えて、思考する力や情報を整理する力を下支えする欠かせない力として、第一言語の能力向上を重視しているのも、都立小中高一貫教育校の教育方針の特色といえるでしょう。

 

 

気になる募集概要は?

注目度の高い都立小中高一貫教育校の、募集概要について見ていきましょう。

2022年度の募集人数は小学1年生80名(男女40名ずつ、海外帰国児童・在京外国人児童含む)です。通学区域は児童の負担を考慮し、学校までの所要時間が40分以内にある駅やバス停を含む区市町村または地域となっています。

 

入学者の決定方法は、第一次の抽選、第二次の適性検査、第三次の抽選、計3回の検査が行われる予定です。

 

これらの情報は変更、更新される可能性があるので、学校説明会の日程と場所もあわせて、最新の情報は東京都立小中高一貫教育校の公式ページにてご確認ください。