暗算は一生役に立つ

四則計算は小学校のみならず、中学や高校でも使用するものです。暗算ですばやく正確に答えを出すことができると、算数や数学の試験においても役に立ちます。

また暗算の技術は、大学生や社会人になってからも使用することが多く、一度習得すれば一生使えるものなので、ぜひ幼少期の頃から鍛えておきたいものです。

  

暗算が苦手な人

筆算は問題なくできても、暗算に苦手意識を持っている方は少なくありません。

「私は算数が苦手だから、暗算も苦手」と思っている方もいますが、四則計算の暗算は算数や数学のセンスとはあまり関係なく、コツさえ知ってしまえば誰でもできるようになるものです。

まずは暗算に対する苦手意識を捨てて、「暗算にはコツがある」と認識することが大切です。

 

暗算が苦手な子どもに対して、どうやって教えたらよいかわからないという親御さんも、これからご紹介する「暗算のコツ」を参考にしてみてください。

 

 

すべての始まりは「一桁同士の足し算」から

「一桁同士の足し算なんて」と思われるかもしれませんが、軽く考えてはいけません。一桁同士の足し算は四則計算の基本で、引き算や掛け算、割り算を行う際にも関係します。一桁同士の足し算は、問題を見た瞬間に反射的に答えが出せるようにしておくことが重要です。

 

「一桁同士の足し算」のコツは、答えを丸暗記してしまうことに尽きます。「全部覚えるの?」と驚くかもしれませんが、覚えなければならない答えはそれほど多くありません。

一桁同士の足し算のパターンは「1+1、1+2、……9+9」と数えていくと、全部で81種類あります。そこから、右の数字と左の数字を入れ替えただけの計算を除くと全部で45パターンです。

 

繰り上がりのない足し算はすぐに答えが頭に浮かぶでしょうから、覚えるべきなのは「2+9」や「6+7」などの繰り上がりのある足し算で、全部で20パターンしかありません。その中でも、特に苦手な数字の組み合わせをピックアップすれば、覚えるパターンはもっと少なくすみます。

 

「一桁同士の足し算」については、深く考えずに答えを丸暗記してしまうのが暗算上達のカギです。

 

 

「二桁同士の足し算」の場合

次の暗算のコツは「繰り上がるか繰り上がらないかを先に判断する」ことと「大きい桁から計算する」ことです。

 

2つのコツを踏まえて、例として二桁同士の足し算「35+84」をやってみましょう。

まず「繰り上がるか繰り上がらないかを先に判断」します。一桁同士の「5+4」は繰り上がらないと瞬時に判断できるでしょう。

 

そこで一桁同士の計算は置いておき、先に「大きい桁から計算」すると「3○+8○=11○」です。次に一桁同士の「5+4=9」をすれば、繰り上がらないことは最初にわかっているので、答えが「119」という暗算ができました。

 

「76+37」の場合はどうでしょう。「繰り上がる」と判断できたら二桁目の計算に入ります。

「7○+3○」なので「10○」ですが、繰り上がる場合は自動的に「二桁目の数字に1を足す」と覚えておきましょう。そうすると予測できる答えは「11○」です。最後に一桁目の数字を足し算して「113」と求めます。

 

このやり方に慣れると、筆算のように小さい桁から計算していくよりも早く答えを出せるようになります。

 

 

数字を分解して考える

次の暗算のコツは足し算だけでなく、引き算や掛け算、割り算にも応用できます。それは「数字を分解して考える」ことです。

 

「数字を分解して考える」というのは、暗算しやすい数字に置き換えるということです。

例えば「75-29」を暗算しろと言われても、暗算が苦手な方はちょっと考えてしまうかもしれません。しかし、29が30に近いことに着目し、「29」を「30-1」と置き換えてみるとどうでしょう。

「75-30」はすぐに「45」と暗算できるはずです。そして最後に引きすぎた「1」を戻してあげれば「46」という答えを導き出すことができます。

 

数字の分解方法や置き換え方には色々なパターンがありますが、自分が楽に計算できる数字で考えるのがポイントです。暗算が苦手な方は是非参考にしてみてください。