クオリティの高い日本の漫画

かつては「マンガばかり読んでいたらバカになるわよ」というのが親の決まり文句でした。日本の漫画のクオリティは世界の中でもトップクラスであり、近年は漫画自体の地位やイメージも大きく向上しているといえるでしょう。また、漫画を読む効果やメリットを証明する研究結果も、多数報告されています。

具体的に、漫画を読むことで得られる効果やメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?

 

メリットその1「興味を持ちやすい」

漫画よりも本を読んでほしいと思うのが親心ですが、ゲームや動画サイトといった娯楽の普及により活字離れが進む現代の子どもにとって、読書はハードルが高いものです。

 

その点、漫画は絵があるので子どもの興味を引きやすく、手に取りやすいというメリットがあります。漫画によって活字に慣れ、抵抗感が薄れてきたら本に移行するという道筋もあるので、漫画は活字の入り口として最適といえるでしょう。

 

 

メリットその2「語彙力や読解力が身に付く」

読書の効果として、語彙力や読解力の向上がよく挙げられますが、漫画もそれらの能力を向上させる効果は認められています。

 

物語や小説には劣ると思われるかもしれませんが、本人の興味や没入感の強さによっては、漫画のほうが高い学習効果を発揮する可能性があります。

無理やり読まされる本よりも、好きで読んでいる漫画のほうが、集中している分知識を吸収しやすく、読んでいてわからない漢字や言葉が出てきたときにも、自分で調べたくなるでしょう。

 

 

メリットその3「他人の気持ちを理解できるようになる」

漫画にはさまざまな登場人物が出てきて、それぞれがセリフや表情、体の動きなどによって心理を表現しています。主人公だけでなく、脇役や敵役もそれぞれ立場や背景を持っており、考え方や価値観は十人十色です。

そういった多様な価値観に触れることで、他人の気持ちを思いやったり、心の機微を感じ取ったりする力を養うことができます。

 

もちろん読書でも、他人の気持ちを理解する力は身につきます。しかし、文字だけでなく表情や動きでも感情が表現でき、子どもにも理解しやすいという点は、漫画の持つ優位性といえるでしょう。

 

 

漫画のデメリットとは?

では漫画のデメリットについては、どのようなことが考えられるでしょうか。

よく指摘されるのが、暴力的な表現やグロテスクな描写、性的な表現による悪影響です。たしかに、このような表現の漫画を子どもに読ませるのはよくありません。

 

子どもが読む漫画の内容については親が気を配り、ある程度統制する必要があります。ただしこれは漫画に限った話ではなく、ゲームやビデオ、映画などにも同様のことがいえるでしょう。

 

次に、漫画に夢中になり勉強が疎かになるという点です。子どもは漫画に熱中し、時間を忘れて読みふけってしまう傾向があります。ゲームや動画など、漫画以外の娯楽にも当てはまることですが、漫画を読んでも良い時間帯と、勉強をする時間帯を明確に分けるなどして、けじめを持たせることが重要です。

 

 

学習効果の高い「学習マンガ」

子どもが幼稚園・保育園児〜小学校低学年の場合は、親が漫画を選んで子どもに与えるのが良いでしょう。中でもおすすめなのが「学習マンガ」と呼ばれるジャンルの漫画です。

 

例えば「日本の歴史シリーズ」「世界の歴史シリーズ」といった歴史モノや、偉大な人物の伝記、自然や宇宙、生物などを題材にした科学モノ、古事記や源氏物語といった古典モノなどが、学習マンガの代表です。

 

学習マンガで学べるのは、学校の勉強だけにとどまりません。大人になっても役に立つ一般教養を、漫画で楽しく学ぶことができます。漫画は文字と絵が一緒になっているため記憶に残りやすく、学習効果が高いことが研究によって明らかにされています。

 

また「学習マンガ」というくくりでなくても、学習に役立つ漫画はたくさんあります。インターネットで「学習マンガ」と検索すると、「文学」「歴史」「科学」「芸術」「社会」「職業」「生活」「スポーツ」などのジャンル別に、おすすめの漫画を探すことができるサイトがあるので、探してみてはいかがでしょうか。