次世代を担うグローバル人材の育成が急務

テクノロジーが高度に進化した現代では、人やモノ、お金など、あらゆるものが国境を超えて動く「グローバル化」が進行し、その勢いはとどまる所を知りません。

 

グローバル化社会の中で日本が競争力を保ち続けるには、次世代を担うグローバル人材の育成が急務です。その責務を担っているのは、大学をはじめとした高等教育機関といえるでしょう。

このような目的意識から生まれたのが「スーパーグローバル大学(SGU)」です。

 

「スーパーグローバル大学(SGU)」とは?

スーパーグローバル大学とは、2014年から文部科学省が推進しているプロジェクト「スーパーグローバル大学創成支援事業」によって選出された大学です。2019年時点で全国に37校あります。

 

本事業の目的は、海外のトップレベルの大学との連携や大学改革により徹底した国際化を進めている大学に対して、支援を行ったり制度改革を実施したりすることによって、日本の高等教育の国際競争力を向上させることです。

 

スーパーグローバル大学には「トップ型」と「グローバル化牽引型」の2種類があります。トップ型とは、世界レベルの教育研究を行い、世界大学ランキングトップ100を目指す実力を持っていると認められた大学で、全国に13校あります。

そしてグローバル化牽引型は、これまでの実績を基に先導的試行に挑戦し、日本社会のグローバル化を牽引すると認められた大学です。こちらは全国で24校が採択されています。

 

 

「トップ型」のスーパーグローバル大学

トップ型に指定されている大学は、国立では北海道大学、東北大学、筑波大学、東京大学、東京医科歯科大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、広島大学、九州大学の11校です。私立は、慶應義塾大学と早稲田大学の2校となっています。

 

トップ型スーパーグローバル大学の主な取り組みとしては、海外大学のユニット誘致による領域横断型共同カリキュラムの構築、優秀な教員や学生が集う環境整備、海外展開などが挙げられます。

 

 

「グローバル化牽引型」のスーパーグローバル大学

グローバル化牽引型に指定された大学は、国立が千葉大学、東京外国語大学、東京芸術大学、長岡技術科学大学、金沢大学、豊橋技術科学大学、京都工芸繊維大学、奈良先端科学技術大学院大学、岡山大学、熊本大学の10校です。

 

私立では、国際基督教大学、芝浦工業大学、上智大学、東洋大学、法政大学、明治大学、立教大学、創価大学、国際大学、立命館大学、関西学院大学、立命館アジア太平洋大学の12校あります。

 

そして公立が、国際教養大学、会津大学の2校です。

 

グローバル化牽引型スーパーグローバル大学の主な取り組みは、海外大学との先駆的教育連携、大学教育のグローバル化モデルの構築、世界基準の教育展開などがあります。

 

 

スーパーグローバル大学の魅力

トップ型とグローバル化牽引型が共通して行っている取り組みは、「外国人及び外国の大学で学位を取得した専任教員等の増員」や「全学生に占める外国人留学生の割合の向上」「日本人学生に占める単位取得を伴う留学経験者の増加」「外国語による授業科目の増加」「外国語のみで卒業できるコースの在籍者の増加」など、グローバル化を意識した制度改革が目立ちます。

 

これらの取り組みにより、スーパーグローバル大学に入学すると外国人と接する機会が自ずと増え、国際感覚を養うことにつながるでしょう。外国語のカリキュラムが豊富なことから、外国語の習得にも有利になると考えられます。

 

また、国際感覚豊かな人材を採用したい企業側にとっても、スーパーグローバル大学は注目の的です。「スーパーグローバル大学出身」という点が、就職活動において大きな力になることもあり得ます。海外で活躍している卒業生もおり、卒業後の進路は日本国内にとどまりません。

 

トップレベルの教育を受けたい、将来グローバルな場で活躍したい、学生時代にさまざまな国の人と交流して人脈を広げたいという方は、スーパーグローバル大学への入学を目指してはいかがでしょうか。