「専修学校」とは?

専修学校は1976年に新しい学校制度として創設された教育施設です。学校教育法によると「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図る」ことが目的の学校とされ、実践的な職業教育、専門的な技術教育を行う教育機関として、多岐にわたる分野でスペシャリストを育成しています。

 

「専修学校」の特徴

学校教育法では、「専修学校」は修業年限1年以上、年間授業数800時間以上、常時40名以上の学生が在籍している教育施設であることと定められています。

 

専修学校は一条校(学校教育法第一条に定められた学校)ではありません。高校や大学といった一条校よりも設置基準が緩く、カリキュラムを社会ニーズに合わせて柔軟に変更しやすいという側面があり、バラエティに富んだ学校が多いです。

 

また、社会に出てから即戦力として役立つ専門的な知識や技術の習得を目的とした教育内容となっていて、実験や実習の割合が高いのも特徴のひとつです。

 

 

「専修学校」の教育分野

専修学校の教育分野は「工業」「農業」「医療」「衛生」「教育・社会福祉」「商業実務」「服飾・家政」「文化・教養」の8分野です。各分野はさらに、以下のような学科に細分化されています。

 

1.工業:情報処理、コンピュータグラフィックス(CG)、自動車整備、土木・建築、電気・電子、放送技術、無線・通信 など

2.農業:農業、園芸、畜産、造園、バイオテクノロジー、動物管理 など

3.医療:看護、歯科衛生、歯科技工、臨床検査、診療放射線、理学療法、理学・作業療法、はり・きゅう、あんまマッサージ指圧、柔道整復 など

4.衛生:栄養、調理、製菓、製パン、理容・美容、エステ、メイク、ネイル など

5.教育・社会福祉:保育、幼児教育、社会福祉、医療福祉、介護福祉 など

6.商業実務:経理・簿記、観光・ホテル、会計、経営、秘書、情報、医療事務、流通ビジネス、福祉ビジネス など

7.服飾・家政:ファッションデザイン、ファッションビジネス、和洋裁、編物・手芸、スタイリスト など

8.文化・教養:グラフィックデザイン、インテリアデザイン、音楽、美術、外国語、演劇・映画、写真、通訳・翻訳、法律行政、スポーツ など

 

「専修学校」の3つの課程

専修学校は「高等課程」「専門課程」「一般課程」の3つの課程に分けられ、設置している課程によって入学資格や学校名称が異なります。事前に課程ごとの入学資格を確認しておくと良いでしょう。

 

「高等課程」は中学校卒業者が入学資格を持つ課程で、学校名称は「高等専修学校」です。

 

「専門課程」の入学資格は、高校卒業者または高等課程(3年制以上)の卒業者に与えられます。学校名称は「専門学校」ですが、高等課程と専門課程を併設している専修学校もあり、「専門学校高等課程」や「専門学校専門課程」といった表記をしている場合もあります。

 

「一般課程」は学歴・年齢を問わず、誰でも入学資格を持つのが特徴です。学校名称は「専修学校」となります。

 

 

「専修学校」と「専門学校」の違い

上記の通り「専門学校」とは、専門課程を有する専修学校にのみ与えられる名称です。専門課程を有していない専修学校は「専門学校」を称することはできません。

 

紛らわしいため混乱してしまうかもしれませんが、「専門学校」は「専修学校」の1つと覚えておきましょう。

 

 

「高等専修学校」とは?

高等専修学校は、中学校卒業生を対象とした実践的職業教育を行う学校のことです。高校と同様に中等教育機関に位置づけられています。

 

3年制の高等専修学校を卒業すると専門学校への進学が認められるほか、「大学入学資格」が付与される学校を卒業すれば、大学や短大への入学資格を得ることもできます。大学や短大への進学を目指す場合は、大学入学資格が得られる高等専修学校を選ぶようにしましょう。

 

高等専修学校に名称が似た学校に「高専」(高等専門学校)がありますが、高専は5年制で工学科や商船科を有す一条校です。主に技術者を養成することを目的としていて、高等専修学校とは成り立ちや位置付けが大きく異なります。

 

 

専修学校は職業と直結した学校

なりたい職業に直結した教育カリキュラムが用意されている専修学校は、卒業後の就職率も高く、夢への近道になりうる学校です。

将来の目標が明確になっている方は、入学を検討してみてはいかがでしょうか。