「そろばん」は習い事の定番

昔から、定番の習い事として地位を保ってきた「そろばん」。

暗算が得意な人や学力の高い人から、「子供の頃そろばんを習っていた」という話を聞いたことがある方も少なくないはずです。

 

長い間、そろばんが定番の習い事になっているのには理由があります。そろばんを習うことで、どのようなメリットや効果があるのでしょうか?

 

「そろばん」とは?

そろばん(算盤)の歴史は紀元前まで遡り、シュメール人が用いていた「泥土版」が世界最古の計算用具であるとされています。

その後、メソポタミアやエジプト、ギリシア、ローマなどでさまざまな「そろばん」が開発されていき、中国に渡った際に現在のそろばんの原型が完成しました。

 

日本にそろばんが入ってきたのは、16世紀後半の室町時代だそうです。中国から伝来したそろばんは、最初は商人や武士の間で使われていましたが、次第に大衆の間でも使われるようになっていきます。

昭和10年には、教科書改訂によってそろばんが小学校の必修となり、現在に至ります。

 

電卓が一般化する1970年代以前、そろばんは日常の道具として活躍していました。50年前は、計算のためにそろばんを弾くというのが、当たり前の光景だったのです。

 

 

メリットその1「暗算に強くなる」

電卓やパソコンが普及した現代、日常生活でそろばんを使う機会はほとんどありません。そのため、そろばんを習う目的は使いこなせるようになるためではなく、そろばんのメリットや効果を狙ったものです。

 

第一に挙げられるメリットは、暗算に強くなる点です。

一般的なそろばん教室では、まず基本的な技能を習得させ、その後「そろばん式暗算」を教えます。そろばん式暗算とは、頭の中でそろばんをイメージし、イメージ上で珠を弾いて計算するという暗算法です。

 

そろばん式暗算を使うと、2桁同士の掛け算などは難なくできるようになります。有段者ともなれば、10桁以上の計算でも暗算できるそうです。

 

 

メリットその2「右脳が強化される」

そろばんの効果は、暗算に強くなるだけではありません。昨今そろばんが注目されているのは「脳トレ」としての側面が大きいでしょう。

 

そろばんは右脳の活性化につながると、さまざまな研究によって明らかになっています。

人間の脳は、右脳がイメージや創造性、芸術性などを、左脳が計算や論理的思考を司るとされています。頭の中でイメージしたそろばんを使って計算することで、右脳が刺激されて想像力や発想力が鍛えられるのです。

 

また珠を弾く際に指先をリズミカルに使うため、脳全体がバランス良く活性化される効果も期待できます。

 

 

メリットその3「集中力が身に付く」

そろばんは数字を瞬時に読み取り、指先で正確に珠を弾く作業を繰り返し行います。少しでもミスをすると、正しい計算結果は得られません。

このような訓練を重ねることで、作業を正確に実行する能力や、集中力を保つ能力が自然と身に付きます。

 

集中力や正確性は、受験勉強だけでなく、社会に出てからも必要となる大切な能力です。小さいうちから身に付けておけば、長い期間役に立つでしょう。

 

 

メリットその4「やる気や自信につながる」

やればやるほど上達していくそろばんは、自信や達成感を得やすい習い事でもあります。

検定試験で自分のレベルを客観的に知れたり、目標に向かって努力するプロセスを経験できたりするのもメリットといえるでしょう。

 

そろばんの検定試験は「日本珠算連盟」と「全国珠算教育連盟」が行っており、それぞれ級や段が設定されています。

日々の努力によって級や段位が上がる喜びは、子どもにとってかけがえのないものです。成功体験を幼少時代から味わうことで、努力の大切さや、目標に向かって忍耐強く継続する大切さを学べます。

 

子どもにどんな習い事をさせようか悩んでいる方は、そろばんを候補に加えてみてはいかがでしょうか。