「コミカレ」は大学進学の新たな選択肢

近年、海外大学へ直接進学する学生が増えてきています。中でも人気が高いのがアメリカの大学ですが、アメリカの名門私立大学には世界中の優秀な生徒が集まってくるため、入学難易度は高いです。学費が非常に高額ということもあって、敷居が高いといえるでしょう。

 

そこで注目を浴びているのが「コミュニティカレッジ」（コミカレ）と呼ばれる大学です。

 

アメリカの大学の種類

はじめに、アメリカの大学の種類を確認しておきましょう。

アメリカの大学は大きく分けて、「四年制大学」と「二年制大学」があります。

 

四年制大学の中には「総合大学」「リベラルアーツカレッジ」「専門大学」の3種類の大学が存在します。

「総合大学」は大学院課程が置かれ、教育だけでなく研究機関としての役割も担っている中規模〜大規模の大学です。私立と州立があり、私立の方がレベル・学費ともに高い傾向にあります。

「リベラルアーツカレッジ」は小規模の私立大学です。教育に力を入れていて、一般教養をバランス良く学ぶのに適しています。

「専門大学」は、アートや音楽といった特定の分野を、専門的に学ぶための大学です。

 

二年制大学は「コミュニティカレッジ」と「ジュニアカレッジ」の2種類です。「コミュニティカレッジ」は公立、「ジュニアカレッジ」は私立という違いがあります。

日本の短大に似た高等教育機関ですが、四年制大学への編入がスムーズに行えるなど、教育制度や仕組みは若干異なります。

 

 

「コミュニティカレッジ」とは？

コミュニティカレッジとは、公立の二年制大学です。地域の人々に、できるだけ安価に大学教育と職業訓練を提供するという役割を担っています。

 

コミュニティカレッジには職業訓練を目的とした「職業教育コース」や、四年制大学への編入を目指す「進学コース」などがあり、目的に合わせて選ぶことができます。

卒業すると「準学士」という学位を取得でき、そのまま四年制大学に編入する学生も多いです。

 

 

「コミュニティカレッジ」の特徴

コミュニティカレッジは、四年制大学に比べて入学しやすいのが特徴です。高校を卒業していて、一定レベルの語学力があれば、基本的に誰でも入学できます。

求められる英語力は州によって異なりますが、TOEFL iBTが45以上、IELTSが5.0程度で入学できる大学もあり、四年制大学よりも格段に入りやすくなっています。

 

また、授業料が格安というのも見逃せません。年間の授業料は5,000〜10,000ドルとなっており、私立の四年制大学の平均授業料32,000ドルと比較して、3分の1以下に抑えられます。

 

入学難易度の低さと授業料の安さから、アメリカでは2年間コミュニティカレッジで学んだ後に、四年制大学に編入して2年間学ぶ「2+2」というスタイルが一般化しています。

 

 

どんな学生が通っている？

コミュニティカレッジは入学条件が緩いため、さまざまな学生が集まっています。

州によっても異なりますが、黒人やヒスパニックといった人種的マイノリティや、海外からの留学生、働きながら通っている学生など、多種多様な人々が通っているようです。

 

中には勉強に熱心でない学生もいるため、そういった学生の雰囲気に流されず、目的意識を持って大学生活に臨む意志の強さが求められるという声も聞かれます。

 

 

憧れの四年制大学への道が開かれる

「アメリカの四年制大学を目指しているものの、英語力が足りない」という方も諦めることはありません。コミュニティカレッジで勉強して一定の成績を残せば、四年制大学に編入する道が開かれます。

 

また、私立の四年制大学に4年間通うとなると、莫大な費用がかかります。

4年間の学費を抑えるためにコミュニティカレッジを活用し、「2+2」の進学スタイルを選択するのは、有効な手段といえるでしょう。

 

アメリカの大学への進学を検討している方は、選択肢を広げられるコミュニティカレッジについて、色々と情報収集してみてはいかがでしょうか。