ますます需要が高まる「データサイエンティスト」

近年、インターネットの普及や通信技術の発展、AIの進化などを背景に、各企業において「ビッグデータ」の活用が急速に進んでいます。

ビッグデータの重要性が増すのと比例して需要が高まっているのが、ビッグデータを扱う人材である「データサイエンティスト」で、今後もその流れは続くと考えられます。

 

「ビッグデータ」とは?

「ビッグデータ」という言葉をよく耳にするものの、実際にどんなもので、ビジネスシーンではどのように使われているかわからないという方が多いかもしれません。そこでまずは、「ビッグデータ」について簡単におさらいしておきましょう。

 

ビッグデータとは、文字通り膨大な量のデータのことです。その量は「ペタバイト」の領域に達します。1ペタバイトは1テラバイトの1,000倍なので、通常のパソコンでは処理できない量のデータです。

またビッグデータには、エクセルなどで管理できる「構造化データ」だけでなく、画像や音声、動画などの「非構造化データ」も含まれます。従来のデータベースの構造である「リレーショナル・データベース」では、データを表形式で管理するため、ビッグデータの管理や分析ができません。

 

つまり、ビッグデータを扱うには、高性能なコンピュータと専門知識が必要不可欠ということです。

 

 

「ビッグデータ」の活用事例

ビッグデータは、日常のさまざまなシーンで活用されています。

自動車に通信機能を持たせて渋滞を予測する、小売店の防犯カメラで顧客の行動パターンを記録し、商品陳列の最適化やマーケティングにつなげる、などが一例です。

また医療の現場では、流行病の予測や、患者の情報をもとに的確な診断を行うなどの活用方法も見られます。

 

 

「データサイエンティスト」の役割

このように、さまざまな業界や分野で活用が進んでいるビッグデータですが、ここで活躍しているのが「データサイエンティスト」です。

 

データサイエンティストとは、ビッグデータからビジネス上の課題を解決するための情報や、意思決定に役立つ情報を抽出し、意思決定者をサポートする役割を担う職務です。

 

ビッグデータは「宝の山」ではありますが、そのままではまとまりのないデータの集まりでしかありません。ビッグデータを加工・整理・分析することで「価値あるもの」にするのが、データサイエンティストの仕事といえます。

 

 

「データサイエンティスト」に必要なスキル

データサイエンティストになるためには、多くのスキルが必要とされています。

第一に、情報処理や人工知能、統計学といった、情報科学系の知識は必要不可欠です。データを扱うため、プログラミングやITに関する技術も求められます。

それに加え、ビジネス上の課題を理解し解決する力や、マーケティングの知識も必要です。

 

これらのスキルは、一朝一夕で身に付くものではありません。まずは自分の得意分野をしっかり確立したうえで、足りない知識や技術を付け加えていくと良いでしょう。

例えば、人工知能や統計学を専門にしてきた人であれば、そこにプログラミングやビジネスコンサルティングのスキルを加えていくイメージです。

 

 

「データアナリスト」との違い

データサイエンティストと比較されることが多い職種に「データアナリスト」があります。

両者に明確な区分けがあるわけではないものの、企業によっては両者を区別しているケースが見受けられます。

 

例えば、データアナリストは「データ分析」に特化していて、マーケティングやビジネススキルは重視されないと捉えている場合や、データサイエンティストはより高度な分析を行う職種とするケースもあるようです。

いずれにせよ、どちらもビジネス上の課題を解決するためにデータ分析を行う職種という点では変わりません。

 

ビッグデータの活用は、今後もあらゆる業界で活発化していくと予想されます。

それに比例して、活躍の場が広がっているデータサイエンティストを、将来の選択肢のひとつにしてみてはいかがでしょうか。