メンタルの弱い我が子を何とかしたい

「ちょっとしたことでへこたれてしまう」「壁に突き当たるとすぐ諦めてしまう」「嫌なことがあると尾を引きやすい」そんな我が子を見て、「メンタルが弱い」と嘆いていませんか?

 

人生において、困難や逆境は誰の身にも必ず訪れます。そんな時、逆境に負けてくじけてしまう人と乗り越えられる人の違いは、どこから来るのでしょうか?

 

レジリエンス教育とは?

同じ境遇や環境に身を置いているにもかかわらず、逆境に対するとらえ方は人によって違いが表れます。個人の性格や育ってきた環境といった先天的要因も関係しますが、教育によって逆境に打ち勝つ力は獲得できます。それが「レジリエンス教育」と呼ばれる教育法です。

 

レジリエンスは「反発性」や「復元力」、「回復力」などの意味を持つ言葉です。従来は物理学で使われる言葉でしたが、近年は「心の回復力」「逆境から立ち直る力」といった解釈をされ、心理学や経営学の分野でも使用されています。

 

レジリエンスと対になっているのがストレスです。ストレスには「外から加えられた圧力で生じる歪み」という意味があります。つまり、ストレスから立ち直るために必要なのがレジリエンスです。ストレス社会に生きる現代人にとって、必須の能力といえるでしょう。

 

 

レジリエンス教育誕生の背景

日本ではあまり馴染みがないレジリエンスですが、海外では盛んに研究が行われてきました。戦争や飢餓に苦しむ地域の子どもを追跡調査したところ、「トラウマを抱え問題行動を起こす子」と「逆境を乗り越えて健全に育つ子」の2パターンに分かれることが明らかとなったのです。

 

両者の違いがどこにあるのかを研究した結果、逆境や困難に打ち勝ち、環境に適応する力が存在すること、この力は誰でも鍛えられるものだということもわかり、レジリエンスという概念が発展していきました。

 

 

レジリエンスが高い人の特徴とは?

レジリエンスが高い人には、共通した特徴がいくつか見られます。

 

1つ目は「人間関係が良好」という特徴です。

信頼できる人や心の支えになる人の存在がポイントとなります。問題が発生しても一人で抱え込むのではなく、他人と協力して解決できるかどうかも重要です。

 

2つ目の特徴は「自己肯定感が高い」ことです。

自分の強みや弱みを認識して肯定的に認められる人は、困難に直面してもネガティブな感情にとらわれることがありません。ありのままを受け入れ、自分を大切にすることができます。

 

3つ目は「楽観性」です。

自分ならできる、何とかなると信じている人は、一度失敗しても何度もチャレンジを続けられます。難しい問題に直面しても諦めずにチャレンジし、失敗を糧に成長できるのは、将来を楽観的にとらえることができるからです。

 

そして4つ目は「好きなものを持っている」ことです。

趣味や大切なもの、楽しいと思える対象を持っているかどうかは、逆境を乗り越えるうえで大事なポイントです。辛い現状に置かれても、前向きな感情にしてくれるものを自分の内面に持っていれば、困難に立ち向かう力を取り戻すことができます。

 

これらが、レジリエンスの高い人が持っている特徴です。4つのポイントを鍛えれば、誰でもレジリエンスを高めることができます。

 

 

レジリエンス教育を取り入れよう

「レジリエンス教育の大切さはわかったけど、どうやって教えるの?」と思われた方もいるかもしれません。

あまり難しく考えすぎずに、まずは「人は考え方や物事のとらえ方次第で変わる」ことを認識し、それを子どもにも伝えてみてください。

物事のとらえ方を前向きにするなど、思考を変える意識を持つことが、レジリエンスを高めるための第一歩です。