電卓には不思議が詰まっている

「算数嫌いな子どもに、どうにかして算数の楽しさを教えたい」と思われたことはありませんか?

子どもに大人気と評判のドリルやアプリ、ゲームなどを試しても効果がなかったという方は、電卓を使った遊びを子どもと一緒にやってみることをおすすめします。

 

電卓は、スマホにも必ずインストールされている身近なアイテムですが、数字の持つ不思議さや神秘性を感じられる最良の教材でもあります。

 

ゼロで割る?

一般的な電卓で任意の数字をゼロで割ると、エラーが表示されます。「1÷0」や「5÷0」、「0÷0」も、すべてエラーです。

具体的な表示内容は、「エラー」「E」「0で割ることはできません」など、使っている電卓やスマホによって異なります。色々な機種で試してみるのも面白いかもしれません。

 

「0÷0は0じゃないの?」と疑問に思うかもしれませんが、ゼロで割ることを「ゼロ除算」といい、数学の世界では「解を定義できないため計算は不可能」という解釈になっています。

なぜゼロで割ってはいけないのか証明するのは簡単ではありませんが、子どもと一緒に考えてみるのも良いでしょう。

 

 

誕生日がわかる?

次は電卓を使った有名なネタです。

最初に、自分の生まれた月に4を掛けます。

その数字に9を足してから25を掛け、出てきた数字に生まれた日を足します。

最後に225を引くと、ぴったり誕生日と同じ数字が出るというものです。

 

誕生日が1月31日の場合は次の通りです。

1月×4=4

4+9=13

13×25=325

325+31日=356

356-225=131

 

誕生日でなくても、3桁か4桁の数字であれば同じように計算できるため、色々と応用できそうです。とても不思議ですが、なぜこうなるのか考えてみるのも面白いかもしれません。

 

 

好きな数字がたくさん並ぶ?

まず「12345679」と電卓に入力しましょう。8を除いた1~9の数字です。

次に、1~9の中から好きな数字を1つ選び、その数字で掛けます。

最後に9を掛けると、選んだ数字が9個並んだ値が表示されます。

 

例えば、好きな数字を7とするとこうなります。

12345679×7=86419753

86419753×9=777777777

 

とてもシンプルですが不思議ですね。

 

 

美しい規則性

これは数字が持つ美しい規則性を、簡単に体験できる電卓遊びです。

「11×11」「111×111」「1111×1111」「11111×11111」など、1だけの数字同士を掛けてみましょう。

 

11×11=121

111×111=12321

1111×1111=1234321

11111×11111=123454321

 

式をよく見てみると、計算の答えは左右対称に数字が並んでいて、1を並べた数で折り返していることがわかります。

また、掛け合わせるケタ数を変えてみても面白い法則性が見られます。

 

11×111=1221

11×1111=12221

111×1111=123321

1111×11111=12344321

11×11111=122221

 

いずれも、数字が左右対称という法則性は失われていません。

掛け合わせる桁数によって、答えの中の重複する数字の数が変化している点に注目してください。

色々とパターンを試し、なぜこうなるのかを考えるのが算数の面白さです。

 

 

ほかにもたくさんある数字の不思議さ

ほかにも、不思議な性質を持つ数字はたくさんあります。その中のひとつが「完全数」と呼ばれる数字です。

完全数とは、自分以外の約数をすべて足すと、自分自身の数になる性質を持った数字のことです。現在までにたった51個しか発見されていません。

「6」「28」「496」「8128」「33550336」などが完全数として知られています。

 

「6」 を例にすると、6を割り切れる数字(約数)は1、2、3、6です。自分以外の約数は除外すると「1+2+3」で、答えは「6」となります。

 

「28」や「496」は、色々な特徴を持つ数字としても知られています。興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか。

 

 

親子で電卓遊びをしてみよう

あらゆる学問は好奇心から生まれます。驚きや疑問を感じた経験が出発点となり、自分で調べたり考えたりするようになるものです。

電卓を使った遊びを通じて、数字の面白さや算数の魅力を子どもに伝えてみてはいかがでしょうか。