ひらめきやセンスが必要?

中学校の数学で、特に得意・不得意の差が出やすい「図形問題」。「図形問題のセンスがない」「解法がひらめかない」と嘆く人は少なくありません。

確かに図形問題はひらめきが重要で、ひらめきを得るにはセンスが必要なのも事実です。ですが、図形問題を解くコツをおさえれば、誰でも解けるようになります。

 

図形問題は高校受験で必ず出題され、配点も大きいことが多いです。これを機に苦手意識を克服しましょう。

 

図形を描く練習をする

図形問題が苦手な人ほど、適当に図形を描いていたり、描いた図形が不正確だったりします。

 

まずは、定規などを使わずにフリーハンドで大きく図形を描くことから始めましょう。

問題文に小さい図形が描かれている場合もありますが、条件を色々書き足していくと見にくくなってしまい、集中して問題に取りかかれません。

 

問題文に図形が描かれておらず、文章のみの場合は、抜け・もれがないよう、文章中の条件を図形に反映します。

その後、長さや角度など、新たにわかった情報を書き足していきます。特に「同じ長さ」や「同じ角度」がどこにあるのか探して書き込むことが重要です。

 

平面・立体に限らず、図形をきれいに描くことを軽視せず、練習し続けることが大切です。図形を描いていくうちに、図形に対する理解も深まります。

 

 

図形の定理や性質、条件、用語を覚える

三平方の定理や三角形の合同条件、平行四辺形の条件、二等辺三角形の性質、直線と線分の違い、錯角と同位角の違いなど、教科書に載っている図形の定理や公式、性質、条件、用語は覚えておきましょう。定理や性質がわからないと、問題が解けずに行き詰まったり、問題文の意味を取り違えて間違えたりします。

 

覚えることはそれほど多くはないので、完璧に暗記するまで繰り返し練習しましょう。

 

 

補助線の引き方を覚える

図形問題は、補助線の引き方次第で一気に解答に近づけます。

最初はどこに補助線を引けば良いかわからないかもしれません。適当でも構わないので、あれこれ考えこむ前に、色々と補助線を引いてみることが大切です。

補助線を引いていくうちに、だんだんどこに引けば良いかコツがつかめます。

 

また、取り組むうちに、補助線の引き方にはいくつかパターンがあるとわかってくるはずです。さまざまな種類の問題に取り組み、補助線のパターンを経験していくことが大切です。

 

 

平行と直角を探す

図形問題の解答を導くうえでは、平行や直角、合同・相似など、同じだったり特徴的だったりする部分を見つけることも重要なポイントです。

 

例えば、平行は「二つの直線の錯角、同位角が等しい部分」を探せば見つけられます。

「平行な直線の錯角、同位角は等しい」という性質を知っていれば、問題文に書かれていなくても、平行な線を見つけることができるのです。

 

直角なら、「円の中心を通る線」がある場合に見つけることができます。

「弦ABが円の中心を通り円の直径となるとき、三角形ABCの円周角は直角」という定理を使うことで、直角がすぐに判断できます。

 

 

立体は自分で作ってみる

立体の展開図の問題などが苦手な人は、厚紙や段ボールで実際に作ってみるのがおすすめです。

立方体の展開図を紙に描き、それを組み立てると、どの辺とどの辺が接するのかをイメージしやすくなります。

立方体の展開図の種類はいくつかあるので、色々な展開図を試してみてください。

 

また、発泡スチロールや粘土などがあれば、カッターで切り取って断面の形を確認したり、切り取った側の立体の形を見てみたりするのも良いでしょう。三次元で具体的に図形を把握できます。

 

 

練習すれば誰でも解けるようになる

これまで見てきたように、コツをおさえて練習問題を繰り返し解いていけば、誰でも図形問題は攻略できます。

 

図形問題でよくいわれる「ひらめき」というのは、センスの有無ではなく、さまざまな種類の問題を解いた経験の蓄積によって得られるものです。

あきらめずにコツコツと演習問題に取り組んで、経験値をためていきましょう。