思考力が問われるようになる中学受験の理科

中学受験の1科目である理科は、生物・化学・物理・地学の4分野から問題が出題されます。それぞれ大きく分野が異なるため、特定のジャンルだけ得意でも高得点は狙えません。

 

さらに、近年は単語を答えさせるだけではなく、実験結果の図や写真から答えを導いたり、言葉の意味を答えたりと、思考力が問われる場合も多いです。

単語を暗記しているだけでは、問題が答えられないということも考えられます。

 

理科は得点につなげやすい科目

ただの暗記では答えるのが難しいものの、理科は他の科目に比べると苦手を克服しやすく、点数につなげられる科目です。

 

例えば、算数の場合は、掛け算でつまずくとその先の分野は理解できなくなります。それに対して、理科は植物や力学、電気など、分野がそれぞれ独立しています。

勉強する範囲自体は広いものの、「1つの分野でつまずくと、それ以外の分野が全くわからなくなる」ということはありません。

 

また、中学受験の理科の問題は、大問の下に設けられている複数の小問が関連していて、1つの問題が解ければ他の問題も解けるというケースが多いです。

ある程度の知識があれば大きな失点を防げる可能性が高く、得点を伸ばしやすくなっています。

 

 

用語を覚えることからはじめよう

思考力が問われる問題が増えているとはいえ、前提となる知識がないと問題を解くことはできません。最初に、基本的な用語を覚えることからはじめましょう。

 

ただ単語を暗記しようとするのではなく、図や表と一緒に覚えるようにすると、効率的に知識として定着させられます。実験を行い、実際に体験してみるのも良いでしょう。

 

また、暗記したら問題を解いてみて、アウトプットを行うことも大切です。知識を詰め込むだけではなく、実際に使ってみることで、より記憶に残りやすくなります。

 

 

生物の勉強法

生物は、理科の他の分野に比べると覚える必要がある用語や知識が多いです。用語の暗記に力を入れて勉強する必要があります。

この時、図やイラストを見ながら暗記するのがポイントです。例えば、虫の体や植物の構造が描かれたイラストを見ながら単語を記憶すれば、どこにどんな器官があるのかをセットで覚えられます。

 

また、その器官がどんな役割を持っているのかを意識するのも良いでしょう。ただの暗記ではなく、より深く記憶に定着させることができます。

 

 

化学の勉強法

化学の分野では、計算問題が多く出題されます。知識としてわかっていても、計算ミスによって点数が伸びない可能性も捨てきれません。

日頃から計算問題に取り組み、計算力を身につけておきましょう。途中式を残しておき、考え方が合っているか確かめながら取り組むことも重要です。

 

また、実際の実験の手順や様子が問われる場合もあります。自宅でも簡単にできる実験は、一度チャレンジしてみるのもおすすめです。

 

 

物理の勉強法

物理は、原理や公式を活用して解答する問題が多くなります。基本的な原理や公式を覚えたら、問題集に取り組んでアウトプットの量を増やすことが大切です。

化学と同じく、計算問題が出される場合も多いため、計算力を身につけることも心がけましょう。

 

力学などの文章だけではわかりにくい分野は、図を描いて整理するクセをつけると、整理しやすくなります。

 

 

地学の勉強法

天体や天気、地層など、比較的知識を求められる分野が地学です。天体の場合は、星座や星の名前を理解するだけでなく、星が動く原理などを理解することも求められます。

必要な知識が多いため、ただ名称を覚えれば良いだけの単語は語呂合わせで暗記するのもおすすめです。

 

 

多くのことに興味を持つのが大切

理科で勉強することには、天気や星、植物など、日常的に触れる要素も多いです。身近な物事に興味を持つことも、成績アップのためには欠かせません。

例えば、「台風が発生した」という天気予報を見て、台風ができるメカニズムに興味を持てば、おのずと天気に関する知識を自ら吸収することも考えられます。

 

1つ好きな分野を持てば苦手意識が減り、他の分野の得点が向上することもあるはずです。子どもと一緒に天体観測を行ったり、天気予報で聞いたわからない単語を調べてみたりしてみてはいかがでしょうか。