公立高校と私立高校で異なる入試形態

高校は、大きく都道府県や市が運営する「公立高校」と、学校法人などの民間が作った「私立高校」に分けることができます。

学費や施設、カリキュラムなど、さまざまな面で違いがありますが、受験生が注意したいのが入試の内容も異なる点です。

 

それぞれで求められる学力や能力が異なるため、違いを理解して早めに対策を取る必要があります。

 

公立高校の入試の仕組み

公立高校の入試は、各自治体によって異なります。学力選抜(一般入試)と推薦入試の2回入試を行う自治体が多いものの、1回だけの自治体もあるため、事前にお住まいの自治体の入試要項を確認することが重要です。

 

2回入試を行う自治体の場合は、1回目が2月上旬から中旬、2回目が2月中旬から3月上旬にかけて行われることが多いです。1回だけの場合は、通常は2月中旬から3月上旬頃に入試が行われます。

 

 

学力選抜

自治体に関わらず、公立高校の入試で基本となる入試形態です。国語・数学・英語・理科・社会の5教科の成績で合否が決まります。

教科数は多いですが、基本的には中学校の教科書で学習した範囲から出題されます。基礎的な部分を中心に、まんべんなく学習することが重要です。

 

また、公立高校では試験の成績に加えて内申書(調査書)も合格点に影響します。公立高校を目指す場合は、学校の成績や授業態度を早くから意識するのがおすすめです。

内申書がどれくらい影響するか、どの時期の内申書を利用するかなどは、自治体や学校によって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

 

 

推薦入試

2回入試を行う公立高校では、試験以外の方法で合否を決める入試も行われます。自治体によって推薦入試や特別選抜、前期選抜などと名前は異なりますが、内申書や面接、小論文、実技などで合否を決めることがほとんどです。

 

面接の場合は、身だしなみや答え方などが見られます。学校の先生などと練習して、面接に慣れておくと良いでしょう。

小論文は、規程の文字数で内容をまとめる練習を行ったり、過去の問題を調べたりするのがおすすめです。

 

ただし、高校によっては独自検査を行うこともあります。あらかじめ入試の傾向などを押さえておくことが重要です。

 

 

私立高校の入試の仕組み

私立高校は、多くの場合で一般入試と推薦入試が行われます。入試の時期は、推薦入試が1月中旬から2月上旬、一般入試が1月下旬から2月中旬頃です。

 

また、私立高校の推薦入試は単願と併願の2種類に分かれます。学校によってはその他の入試内容を採用している場合もあるため、確認しておきましょう。

 

 

一般入試

学力試験の結果で合否を決める方法です。公立高校と異なり、内申書は関係ないことが多いため、試験で良い点数を取ることが求められます。

 

通常は国語、数学、英語の3教科のみで受験できることが多いです。

ただし、科目数が少ない分、公立高校よりも試験の難易度が高く、応用力を求められる傾向にあります。難関校だと、教科書を読むだけでは解くのが難しい問題が出題されることも少なくありません。

学校ごとに、特別な入試対策を行う必要があります。

 

 

推薦入試(単願)

合格した場合、必ず入学するのが条件の入試です。高校が設定した成績などの基準を超えていれば出願が認められます。

学校側が指定した基準をクリアしないと受験できないこともあり、人気がある難関校を除いて、合格率が非常に高いのが特徴です。

 

 

推薦入試(併願)

単願とは異なり、他の学校も受験できるのが併願です。単願と同様に成績などの基準を超えていることが条件で、入試相談などを行ったうえで出願が許可されます。

単願ほどではないですが、合格率が高い入試方法です。

 

単願・併願に関わらず、中学校で試験や授業に真面目に取り組むなど、内申点を上げておくことが重要になります。

 

このように、公立高校と私立高校では、入試の内容や求められる点が大きく異なります。どちらを志望するかで対策方法が変わるため、早めに進路を決めておくことが大切です。