大半の大学生が所属

大学には「ゼミ」と呼ばれる活動があります。「あるテーマについて研究するところ」「就職活動に有利になる」など、何となくイメージは浮かんでも、具体的なことはよくわからないという方も多いでしょう。

大学生の実に8割以上が所属しているゼミでは、どのようなことを行っているのでしょうか。

 

ゼミとは?

ゼミは「ゼミナール」(seminar)の略で、教員の指導の下で少人数の学生が集まり、特定のテーマについて研究したり、討論や発表などを行ったりする活動のことを指します。

 

一般的な講義とは違い、教員はあくまで学生を手助けしたり助言を与えたりする立場で、学生が主体で活動するのがゼミの大きな特徴です。

多くのゼミは、教員1名に対して数名~20名程度の学生で構成され、週に1回程度実施されます。

 

大学3年生から始まる場合が多いですが、1年生や2年生からゼミが始まる大学もあるようです。さらに、必修としている大学もあれば任意としている大学もあるなど、ゼミの扱いは各大学でまちまちです。

 

また、理系学部ではゼミを「研究室」と呼ぶのが一般的となっています。

 

 

ゼミの研究テーマ

文系では法学、経済学、経営学、社会学、心理学、歴史学、文学、語学など、理系では理学、工学、農学、医学、薬学など、所属している学部・学科ごとに、より専門性の高い分野を研究します。

 

ゼミに入ると卒業論文が課される場合が多いです。一般的には、1年や2年時に勉強したことを基礎に、個人で決めた卒論テーマに沿って研究して卒論を仕上げていきます。

 

 

ゼミに入るメリット

ゼミでは、研究結果をプレゼンテーションしたり、学生同士でディベートしたりと、一般の授業や講義ではあまり体験できない活動を頻繁に行います。ゼミに入っていない学生よりも、プレゼンテーションやディベートの能力を鍛えられるでしょう。

また、文献から抽出した情報をまとめる力や、論理を組み立てる力、文章作成能力といった能力も強化できます。

 

これらの能力は、就職活動ではもちろん、社会に出てからも必要不可欠なスキルです。学生の間にスキルを身につけられるのは、大きなメリットといえます。

 

 

ゼミで広がる人脈

ゼミに入ることで人脈が広がるのもポイントです。

ゼミの活動には、座学だけでなくフィールドワークや合宿なども含まれます。ゼミ生同士で過ごす時間が長く、おのずと連帯感が生まれやすいです。

ゼミで知り合った仲間は専攻が同じなので、卒業後の進路も近い業界や職種になる可能性が高い点も見逃せません。

 

また、ゼミでは同期以外にも教授やOBとも交流できます。教授やOBの知り合いを紹介してもらうことで、人脈が一気に広がるでしょう。

 

 

ゼミ選びのポイント

ゼミ選びで失敗しないためには、自分が興味のあるテーマを研究できるかを重視することが大切です。「評判が良いから」「楽そうだから」といった理由でゼミを選ぶと、興味のないテーマを数年研究することになりかねません。

 

次に、自分の進路に沿ったゼミを選ぶこともポイントです。

例えば、IT系の企業に就職したいのであれば、必要な知識を身につけやすい情報システム関係のゼミを選んだほうが有利になります。

OBがその業界に多く進出しているゼミなら、ゼミで広げた人脈を最大限に生かすことができるでしょう。

 

また、ゼミの雰囲気や方針を事前に情報収集しておくことも大切です。

ゼミにはそれぞれカラーがあります。似通った研究テーマのゼミでも、雰囲気が大きく異なるというケースは珍しくありません。

課題が多くて常に忙しいゼミもあれば、のんびりとした雰囲気のゼミもあります。雰囲気が合わないゼミだと、ゼミへの参加に辛さを感じてしまうこともあるはずです。

自分の性格に合ったゼミかどうか下調べしておくと、このような失敗の可能性を減らせます。

 

 

ゼミ選びは慎重に

ゼミは、大学生活の中で大きなウェイトを占める重要なものです。また、卒論を書き上げるという重要な場でもあります。

大学1,2年生のうちに自分が研究したいテーマを絞り、自分にとって最適なゼミを選ぶことができれば、大学生活がより有意義なものになるはずです。