対策が欠かせない中学受験の作文問題

公立の中高一貫校や、一部の私立中学校の入試では、200~800字程度の作文問題が出題されます。作文は明確に答えがある問題ではなく、どのように書けば良いのかわかりにくいため、対策が難しいと思うかもしれません。

 

しかし、中学受験の作文問題は、頻出テーマや求められる力がある程度決まっています。多くの小学生が苦手な作文問題の対策をしておけば、受験で優位に立つことが可能です。

 

作文問題でよくあるテーマ

中学入試の作文問題は、大きく4つに分けることができます。

 

1つ目のテーマが、「自分自身の考えや体験について」です。

今までで一番嬉しかったこと、好きな科目とその理由、友だちや心のつながりの必要性など、自分の経験に対する意見や考えたことを書いていきます。

 

2つ目のテーマが、「言語」です。

読書が与えてくれるものは何か、おすすめの本の紹介、美しいと思う言葉とその理由など、言語に関する問題に、自分自身が何を思っているのかを書いていきます。

 

3つ目のテーマが、「社会」です。

ルールが必要な理由、人間関係を良くするために必要なもの、挨拶の重要性など、日常生活における事柄に意見を書いていきます。

 

4つ目のテーマが、「時事問題」です。

地球温暖化を防ぐために日常で行える取り組みは何か、最近気になったニュースとその理由など、身近な問題に対する意見や解決策を書いていきます。

 

 

作文問題で必要な2つの力

中学受験の作文問題では、大きく2つの力が必要になります。

 

1つ目が、「基本的な文章の書き方」です。題名は上を2マス空ける、段落の書き始めは1マス空ける、行の頭に句読点が来る場合は前列の最後のマスに書く、会話文は改行してかぎ括弧でくくるなど、作文の細かなルールを見られます。

 

2つ目が、「主張や説明が論理的かどうか」です。具体的には、文章の流れが明確か、内容が伝わりやすいかなどを見られます。

文章力や国語力は必要ですが、練習を繰り返せば、論理的な文章を書くことは誰でもできるようになります。

 

 

繰り返し練習することが上達のコツ

作文問題は、指定の文字数に内容を収める、自分の意見を述べるなど、書き方や内容に指示があります。作文を繰り返し練習して、文章を書くことに慣れておきましょう。

 

テーマを決めて、何度も繰り返し文章を書いていれば、徐々に構成の作り方がわかってきます。

苦手な場合は、100字程度の少ない文字数から始めたり、日記を書く習慣をつけたりするのがおすすめです。

 

また、作文は書いたら終わりではなく、学校や塾の先生などに頼んで、必ず添削してもらうことが大切です。

保護者の方が添削を行う場合は、以下の点を意識して確認してみてください。

 

・原稿用紙を正しく使えているか

・言葉づかいや漢字が正しいか

・文章と設問の内容が一致しているか

・全体でテーマが一貫しているか

・主張に対する理由が述べられているか

 

 

本や新聞を読む機会を作るのもポイント

本や新聞を読む機会を作るのも、作文問題の対策になります。作文問題でよく出る時事問題や社会に関するテーマは、知識がないと自分の意見を述べることは難しいです。

日頃から多くのことに関心を持ち、自分の考えを持つことが大切です。

 

また、本や新聞を読むことで、読解力や表現力も鍛えられます。自分が感じたり思ったりしていることを、的確に表現しやすくなる点もメリットです。

 

 

家族内でスピーチしてみよう

作文問題では、自分の意見や感想を論理的に書く必要があります。本を読んだ感想を話したり、ニュースを見て考えたことを家族で討論したりして、自分の意見や感想を論理的に伝える力を養うのもおすすめです。

 

また、親や兄弟など、別の人の意見を聞けば、知見の幅も広げられます。

この時、子どもの意見や考えが間違っていたとしても、頭ごなしに否定することは避けましょう。否定的なコメントをすると、子どもが自信を失ったり、意見を述べることに苦手意識を持ったりする恐れがあります。

 

作文問題は、練習量を増やしたり、知識の幅を広げたりすれば、少しずつできるようになっていきます。

短い日記からでも構わないので、少しずつ文章を書くことに慣れさせるのが重要です。