公民科目はどれを選ぶべき?

社会科は、地理や日本史、世界史といった複数の科目に分かれます。その中でも、「公民科目」と呼ばれているのが、現代社会、倫理、政治・経済の3教科です。

地理や歴史に比べると影が薄く、文系の方でもどれを選べば良いのか悩んでしまうかもしれません。

 

それぞれの教科や、向いている人の特徴をご紹介するので、科目選択の参考にしてみてください。

 

現代社会の特徴

名前のとおり、現代社会の仕組みや事象などを勉強します。政治・経済の入門編と考えるとイメージしやすいかもしれません。

教科書に書かれた知識を正確に覚えることを第一に、勉強を行う必要があります。

 

また、試験では時事問題が出題されるケースもあります。日頃からインターネットや新聞、テレビなどでニュースを見ておくと良いでしょう。

 

2022年度から始まった新課程のカリキュラムでは、現代社会に代わり「公共」が新設され、履修必須となっています。

 

 

現代社会に向いている人・いない人

時事問題が多く、ニュースを見ていれば解ける問題もあるため、公民科目に時間を取れない方にはおすすめといえます。

一方で、高得点を狙ったり、他の受験生との差をつけたりするとなると、難しくなるかもしれません。

 

 

倫理の特徴

哲学や宗教、思想、心理学、倫理学など、さまざまな視点から「人間について」を学ぶ科目です。受験で扱う範囲はある程度絞られているので、暗記科目ながら、他の科目に比べると暗記量は少なく済みます。

他の暗記科目と同様に、努力するだけ得点に結びつきやすい、一度覚えれば安定して高得点が狙えるといった点がメリットです。

 

思想家の名前と考え方、著名な言葉などをセットで覚えることを心がけましょう。共通テストレベルでは深い知識は問われない傾向にあるので、知識を広く身に着けることがポイントです。

 

 

倫理に向いている人・いない人

哲学や宗教、思想などを学ぶ暗記科目ながら、文章を読み解かなければいけないこともあるため、暗記や現代文が得意な方に適しています。

 

一方で、勉強の中で見聞きしたことがない単語を覚える点に注意しましょう。理解しにくい哲学や思想もあり、人によっては難しさを覚えることも考えられます。

 

 

政治・経済の特徴

名前のとおり、政治や経済の仕組みなどについて勉強する科目です。2つの分野を取り扱うため、公民科目の中では比較的多くの物事を勉強することになります。

日本の政治や国際社会の動向など、実生活に関わる内容を勉強するため、とりかかりやすい点がメリットです。

 

向き不向きが出やすいものの、日頃からニュースを見ていて予備知識が多いと、勉強量は少なくなります。時事問題に興味を持つように心がけましょう。

 

 

政治・経済に向いている人・いない人

暗記量は世界史や日本史に比べると少ないため、暗記が苦手な方には適しています。好きなことや興味のあることは理解しやすいので、政治・経済に興味がある方にもおすすめです。

 

一方で、暗記量自体は少ないものの、問題を解くには深い知識が求められます。政治・経済に興味がない、日常生活の中で触れることがほとんどないといった方には、あまり向きません。

参考書や教科書などを読み込み、全体の流れを理解することが重要な科目です。

 

 

志望校の受験要綱を確認しよう

公民科目を選ぶ時は、志望校の受験要綱を確認しておきましょう。学校によっては、入試でできないこともあります。

例えば、国立・私立を問わず、多くの大学は一般選抜(一般入試)で倫理を使った受験を認めていません。自身の興味だけで科目を選んだ結果、受験で使えないということも考えられるので注意が必要です。

 

また、2025年度からは新カリキュラムに対応した大学入試が始まります。新課程では、地理歴史・公民は2科目1セットでの出題が基本になります。

試験動向なども踏まえて、自分にあった科目を選択するようにしてください。