長文読解に有効なスラッシュリーディング

「英語の文章が長くなると意味がわからなくなる」「長文読解に時間がかかってしまう」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

 

英語と日本語は、文章の作りが異なります。慣れていないと、文章を速く読むのは難しいかもしれません。

そのような悩みを解決するのに有効なのが、スラッシュリーディングと呼ばれる文章の読み方です。

 

スラッシュリーディングとは?

スラッシュリーディングとは、英文が理解できるように、意味のかたまりごとにスラッシュ(/)で区切りながら読んでいく方法です。

多くの人は、英文をきれいに和訳しようとして、文章を通読した後、後ろから意味を訳しているのではないでしょうか。

 

和訳をしなければいけない設問は別ですが、意味さえ取れればよい長文問題において、きれいに和訳する必要はありません。

そのような際に、英文を区切りながら読むスラッシュリーディングは、大いに役立ちます。

 

 

スラッシュリーディングの効果1:文章読解のスピードが上がる

スラッシュリーディングを行うと、英語の文章読解のスピードを上げることができます。

例えば、次の英文で考えてみましょう。

 

I think you have been clever since you were a child.

 

多くの方は文章を読み、「君は子どもの頃からずっと賢かったと思う」と後ろから訳しているのではないでしょうか。

一方で、スラッシュリーディングでは、意味のまとまりに合わせて文章を区切って理解します。

 

I think / you have been clever / since you were a child.

私は思う/あなたはずっと賢かった/子どもの頃から

 

和訳としては大雑把ですが、文章の意味はわかるはずです。後ろから訳し直す必要がないので、英語の文法を理解しながら、素早く意味を取れるようになります。

 

 

スラッシュリーディングの効果2:リスニング力がアップする

スラッシュリーディングを行うことで、リスニング力がアップする点もメリットです。文章の場合は、時間をかけて読み返せば意味を考えることができます。

 

一方で、リスニングは一度で内容を聞き取らなければいけません。スラッシュリーディングの読み方に慣れておけば、聞き取った英文をそのまま理解することが可能です。

「1つの文章を聞き終えてから全体の訳を考える」という手順を踏まないので、文章を理解するまでのスピードが一気に上がります。

 

 

スラッシュリーディングのやり方

スラッシュリーディングは、以下の場所を目安に区切るのが一般的です。

 

・前置詞の前

・動名詞や不定詞の前

・過去分詞の前

・接続詞や関係詞の前

・カンマやセミコロン、コロン、ダッシュなどの前

・長い主語の後

・長い目的語や補語の前

 

ただし、スラッシュリーディングの目的は、英語の文章を頭から理解することです。

慣れるまではルールに沿ってスラッシュを入れることをおすすめしますが、区切り方を気にし過ぎる必要はありません。

 

 

和訳はきれいではなくてもOK

スラッシュリーディングでは、きれいな和訳にこだわるのは避けましょう。せっかくスラッシュリーディングで前から英語を読んでも、きれいに和訳していては返り読みするのと変わりません。

 

不自然な和訳でも構わないので、大まかな意味を取れるように意識してみてください。

 

 

慣れたらスラッシュは減らしていこう

文章の構造を掴めて、英語をすんなり読めるようになったら、スラッシュで区切る数を減らしていくのもポイントです。

慣れてからもスラッシュを細かく引き続けていると、文章の意味を理解する力が身につきません。スラッシュを引く時間もかかってしまいます。

 

慣れに応じてスラッシュを減らして、文章の構造がわからない、意味が取れないといった時にだけ、スラッシュを引くようにしてみてください。

 

スラッシュリーディングは、長文問題や意味が取りにくい英文を読む際に役立ちます。長文が苦手な方は、一度試してみてはいかがでしょうか。