幼児教育で英語も教えるべき?

小学校における英語の必修化や、社会のグローバル化などにより、英語を勉強する必要性が高まり、子どもが小さいうちから英語を学ばせる保護者も増えつつあります。

我が子にも就学前から英語を学ばせるべきか、悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。

 

しかし、幼児期から英語を学ばせる必要は、本当にあるのでしょうか。

 

 

幼児期から英語を学ぶメリット1:英語力が身につく

言語の習得には「臨界期」と呼ばれる時期があり、一定の年齢を超えると習得が難しくなるとされています。物心がついてから英語を勉強すると、言語を学ぶという意識を持ちやすいので、挫折するリスクもあるでしょう。

 

一方で、小さい頃から英語に触れさせれば、子どもは「言語を勉強している」という意識は持たないため、日本語と同じ感覚で英語を学べます。

英語にポジティブな感情を持った状態なら、小学校や中学校の英語の授業でつまずく心配もありません。

 

小さな頃から英語を学ぶことで、日本語にはない英語の音やリズムなどを理解する「英語耳」が育つ点もメリットです。

幼児教育の一環で英語を学ぶと、自然と英語力を高めることができます。

 

 

幼児期から英語を学ぶメリット2:感情表現や多様性が身につく

英語では直接的な表現をするが、日本語は婉曲的に伝えるなど、言語は持っている性質が異なります。英語を幼児期から学ぶことで、自分の気持ちを伝える能力を高める効果も期待できます。

 

また、英語は国際的なコミュニケーションの手段として、さまざまな場所で使われている言語です。幼い時から英語を学ぶことで、多くの人々とつながりを持つ機会を増やせます。

異文化に対する理解が深まり、多様性を身につける効果が期待できる点もメリットです。

 

もちろん、受験勉強でプラスになるなど、勉強におけるメリットも見逃せません。

 

 

早期の英語教育にはデメリットも

メリットが多いように見える幼児期からの英語教育ですが、デメリットも考えられます。

 

通常、第2言語は母国語(第1言語)より上手には使えないものです。日本語の教育をおろそかにして英語に力を入れた結果、どちらも中途半端に習得してしまう「セミリンガル(ダブルリミテッド)」に陥る可能性があります。

人は言葉で物事を考えるため、論理的な思考能力が未発達になる恐れも捨てきれません。

 

また、「外国人のように流暢な英語を喋れるようにしたい」など、英語を学ばせる目的や最終的な目標によっては、膨大な費用がかかる恐れもあります。

 

 

子どもの自主性を重視することが大切

英語を学ばせるうえでは、子どもの自主性を重視することが大切です。無理やり英語を学ばせようとしても、幼い子どもにとっては苦痛でしかありません。強要した結果、子どもが英語嫌いになる可能性もあります。

 

英語に限らず、幼児教育は子どもの自主性や好奇心を重視して行いましょう。絵本やパズル、ゲームなど、子どもが興味を持ちやすい教材を活用して、楽しみながら学ばせることが大切です。

 

また、親も積極的に参加して、英語学習を家族で楽しむ時間にすれば、遊び感覚で英語を学べるようになります。

 

 

継続することも重要

言語は、使わないと忘れてしまうものです。幼児期から英語を学ばせても、成長とともに忘れてしまっては意味がありません。

継続して英語を学ぶことができる環境を整えてあげることも大切です。就学後も積極的に英語に触れる機会を子どもに与えて、英語力を維持したり、向上させたりすることを目指しましょう。

 

幼児教育で英語を取り入れるのは、子どもの英語耳や英語脳を養う効果が期待できます。感情表現や多様性を身につけられるのもメリットです。反面、やり方によっては逆効果になる恐れもあります。

我が子の反応を見定めながら、楽しく英語を学べる環境を整えてあげましょう。