作文と小論文は似ているようで違うもの

大学入試では小論文が出題されるケースもありますが、高校では基本的に小論文の授業は行いません。

得意・不得意に関わらず、読書感想文や夏休みの思い出など、多くの人は小学校の頃からさまざまな文章を書いてきているはずです。「その経験を基に対策すれば良い」と考えている方もいらっしゃるでしょう。

 

しかし、読書感想文など、小学校から書いてきた文章の多くは作文です。作文と小論文では求められる要素が異なるため、未対策で挑むと点数を伸ばせない可能性があります。

 

作文と小論文の違い

小論文も作文も、どちらも「文章を書く」という点は同じです。では、2つは何がどのように異なるのでしょうか 。

 

1つ目の違いが、文章を書く目的です。小説は、自分の感情や気持ちを伝えるための文章です。自分の主観を文中に盛り込んでも問題ありません。

反対に、小論文は自分の意見や主張を説明し、読者を説得させるための文章です。「私は○○だと考える。なぜなら○○だからだ」と、自分の意見に対して理由や根拠が求められます。主観を交えず、客観的な文章を書く必要があります。

 

 

2つ目が、自由度の高さです。作文は文章が単調にならないように、さまざまな表現技法を駆使することができます。

一方で、小論文は相手に納得してもらうために、論理的な文章を書かなくてはいけません。

 

 

作文の評価基準は独自のアイデアと表現力

作文で大きく評価される点は、独自のアイデアです。

読書感想文を例にすると、ただ「面白かった」だけでなく、「自分はなぜそのように感じたのか」を具体的に書いた方が、評価されやすくなります。

 

また、作文は書き方の自由度が高いため、表現力も評価の対象になります。比喩や倒置法、体言止めといった文章表現を駆使して、独創的で読み手の感情に訴えかける言い回しができるようになると、高評価を得られるでしょう。

 

ただし、自由度が高く決まった型がないということは、高得点を狙うためのパターンもないということでもあります。

読みやすさや原稿用紙の使い方といった基本的なルールは勉強できますが、評価される作文を書くには一定の練習が必要です。

 

 

小論文の評価基準は知識と構成力

作文とは異なり、小論文は客観的に文章を書いて相手を説得させるものです。

そのため、高評価を得るには説得力を出すための知識が欠かせません。

 

また、自分の意見・主張が正しい理由を説明するためには、根拠や具体例を明示したり、文章全体で一貫した主張を行ったりする必要があります。

指定された文字数で文章をまとめたり、論理が破綻しないように書いたりする構成力も評価基準のひとつです。

 

 

小論文の書き方のコツ

自由度が高い作文とは違い、論理性や客観性が求められる小論文はある程度書き方が決まっています。

小論文をどう書けば良いのかわからないと悩んでいる方は、最初に文章の構成を考えましょう。構成は、序論・本論・結論の3パートに分けて考えるのが基本です。

 

序論は、与えられたテーマに対して、自分の意見・主張を示すパートです。序論がしっかりしていれば、読者も「何について書かれた文章なのか」をすぐに把握できるようになります。

 

本論は、序論で記載した意見・主張について、理由や根拠を述べるパートです。客観的なデータや具体例を提示すると、説得力が増します。

自分の主張に対する反論を書いてから、その反論を覆す方法もおすすめです。

 

結論は、序論や本論を受けて、自分の意見・主張をまとめるパートです。伝えたいことを簡潔に述べることを心がけましょう。

あいまいな書き方は控えて、序論で提示した自分の意見を再び主張することが大切です。

 

作文と小論文はどちらも文章を書くものですが、求められる点が大きく異なります。違いを把握して、練習を繰り返しましょう。