他の勉強にもつながる「漢字」

小学生になると、たくさんの漢字を覚える必要があります。学年が上がるごとに量も増えていくため、なかなか覚えられない子どもも少なくありません。

 

漢字を覚えれば、ひらがなでは表現できないことを伝えられるようになります。知っている漢字が増えることで、語彙力や読解力、表現力の向上にもつながるでしょう。

結果として、国語はもちろん、他の教科の成績にも影響を与えます。

 

テストの成績を上げるためにも、まずは漢字に対する苦手意識を解消していきましょう。

 

漢字が覚えにくい原因は?

小学生の勉強の中でも重要性が高い漢字ですが、「子どもが漢字を覚えるのが苦手……」とお悩みの方もいらっしゃるでしょう。漢字が苦手な子どもは、間違った方法で勉強している可能性があります。

 

1つ目の間違った勉強法が、何度も同じ漢字を書き続けるというものです。漢字の形を覚えるために、書く作業自体は欠かせません。

しかし、ひたすら同じ漢字を書き続けるのは、手を動かすだけの単純作業になってしまいます。頭を使わずに手だけ動かした結果、記憶として定着にくくなってしまうのです。

 

2つ目の間違った勉強法が、漢字の形だけ覚えるというものです。漢字には、1文字ごとに意味や読み方があります。形だけを覚えても、意味や読み方がわからなければ、テストの点数アップにはつながりません

 

 

声に出して読み方から覚えることが大事

当たり前ですが、正しく読めない漢字は書くこともできません。効率的に漢字を勉強するには、最初に読み方を覚えることが重要です。音読みと訓読みの両方を、正確に覚えることから勉強を始めましょう。

 

具体的な方法としては、読みを声に出しながら、書く練習を行うのが有効です。目で見る、耳で聞く、手を動かすと、さまざまな感覚を刺激できるので、より記憶として残りやすくなります。

 

 

漢字の成り立ちや意味を知る

漢字の成り立ちや意味を知って、イメージすることもコツです。

例えば、「休」という漢字なら、「人が木に寄りかかって休んでいる」イメージを持つと、覚えやすくなります。

 

また、漢字単体で覚えるのではなく、熟語として覚えるのもおすすめです。実際の漢字の使い方を理解することで、漢字単体の意味もイメージしやすくなります。

熟語を使って、簡単な文章を作ってみるのも良いでしょう。漢字そのものを覚えられるだけでなく、使い方も一緒に勉強できます。

 

 

部首に注目して覚える

漢字を覚える時は、部首を意識することも重要です。部首には、それぞれ意味があります。

「さんずい」なら水に関係することが多く、「くさかんむり」なら植物に関連することが多いなど、部首から大まかな意味をイメージしておきましょう。

 

記憶は、他の物事との結びつきが強いほど定着しやすくなります。同じ部首の漢字をまとめて練習するのも有効です。

漢字と意味を一緒に覚えられるので、記憶に定着しやすくなります。

 

 

勉強時間は夜がおすすめ

漢字を効率的に覚えるには、勉強する時間も重要です。人の脳は、寝ている間にその日の出来事を整理し、記憶として定着させます。

寝る直前に見たり、勉強したりした内容は記憶に残りやすいため、寝る前の10分程度で漢字練習を行うと、効率的に漢字を覚えられるでしょう。

 

また、漢字を使う機会を増やすのも、知識の定着につながります。漢字を使って日記を書いたり、本や新聞を読んだりして、毎日少しずつ漢字を使うことを心がけましょう。

 

 

学年別の漢字の覚え方

小学生の漢字勉強は、年齢によって考え方を変える必要があります。

 

低学年のうちは、漢字に慣れ親しむことから始めてください。子どもが勉強に辛いイメージを持ってしまうと、今後の学習でも苦労することが考えられます。

学習漫画やタブレットのアプリなども活用して、勉強が苦にならないように工夫してあげましょう。一度にたくさん覚えさせるのではなく、子どものペースに合わせることも大切です。

 

高学年になると、子どもは自分の学習ペースをある程度掴めているはずです。1日30分など、制限時間の中で集中して漢字勉強に取り組み、勉強を習慣化することをおすすめします。

 

また、子どもが漢字を学ぶうえで、最も重要なのはモチベーションを保つことです。できないことを叱るのではなく、できたことを褒めてあげることを心がけてください。