過去問演習は計画的に行おう

中学3年生になると、高校受験が近づいてきます。合格率を少しでも高めるために、過去問に取り組んで実践的な勉強を行うことが大切です。

 

しかし、勉強していない単元が多い状態で過去問を解いたとしても、わからない部分が多いので、演習問題に取り掛かる意味が薄れてしまいます。

一方で、中学校で勉強する範囲を完全に理解してから過去問にチャレンジするようでは、受験本番に間に合いません。

 

入試本番までに使える時間は、思いの外少ないものです。過去問演習は、計画的に行う必要があります。

 

受験勉強で過去問を解く目的

過去問を解くことは、受験において重要な取り組みのひとつです。

過去問を解くと、現状の自分の学力を把握できます。過去の合格点と照らし合わせれば、合格ラインに達しているか判断可能です。

どれくらい勉強すれば良いのか把握するための、目安として活用できるでしょう。

 

自分の苦手な分野を把握することも、過去問を解く目的です。過去問を何度も解く中で、自分の苦手な問題が明確になってきます。苦手分野を把握して対策を行えば、効率的に学習を進めることが可能です。

 

また、高校の受験問題は、学校によって出題傾向や難易度が異なります。志望校で頻繁に出題される分野や、問題の形式を知ることで、どこで点数を稼ぐのか、時間配分をどうするかなど、対策を立てやすくなります。

 

 

過去問演習はいつから始めれば良い?

高校入試の問題は、中学校で学んだ全範囲から出題されます。前述のとおり、受験勉強を始めてすぐに過去問を解いてみても、わからない問題が多いため、効果が期待できません。

 

基本的には、中学校で勉強する内容の9割ほどを終えた段階で過去問を解き始めると良いでしょう。学習ペースには個人差があるものの、夏休みが終わった9月頃から過去問を解き始めるのがおすすめです。

 

ただし、学校によっては9月や10月は行事が多く、忙しいことも考えられます。

9月から過去問に取り組めるのが理想的ではありますが、9月に固執する必要はありません。難しい時は、11月~12月頭までを目安に、過去問にチャレンジすることをおすすめします。

 

 

何年分解けば良い?

志望校の高校の過去問は、最低でも3年分、できれば5年分以上を目安に解いておきましょう。何度も過去問に取り組むと、出題傾向をつかむことができるため、試験問題に対応しやすくなります。

 

志望校以外の併願校も、過去問を解いておくのがポイントです。3~5年分は過去問を解いておくのが理想ですが、過去問演習は時間がかかります。併願校が多い場合は、他の勉強との兼ね合いもあるため、3~5年分解くのは難しいかもしれません。

そのような方は、最低1~2年分の過去問に取り組んでみるのがおすすめです。

 

 

過去問を効果的に活用するコツ

過去問演習は時間がかかる勉強法です。効果を高めるために、正しいやり方のコツを覚えておきましょう。

 

1つ目のコツは、入試本番の制限時間で解くことです。過去問を行う目的は、入試問題に慣れておき、時間配分や手順を考えることです。時間無制限で過去問を解いているだけでは、効果が薄れてしまいます。

時間が足りなくなった時は、制限時間内に解いた部分だけを採点対象として、残りの部分は採点が終わってから解き直しましょう。

 

2つ目のコツが、解説を読んで復習することです。点数の良しあしを見るだけでは、過去問を解いた意味が薄れてしまいます。解けなかった問題や自信がなかった問題を理解することが、実力アップの鍵です。

 

高校受験の過去問は、解けば解くほど効果が期待できます。とはいえ、基礎的な知識が定着していない方が過去問に取り組んでも、あまり意味はありません。

基礎的な部分を一通り学習し終える9~11月頃のタイミングから、過去問にチャレンジしてみましょう。