数学検定を受けるメリットはある?

受験で役立つからと、英語検定(英検)や漢字検定(漢検)を受験したことがある方は多くいらっしゃるはずです。その2つに比べると、数学検定(数検)は少し知名度が低い検定試験かもしれません。

しかし、数学検定も合格することで多くのメリットを得られる可能性があります。学生の方は、数学検定にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

数学検定とは?

数学検定(実用数学技能検定)とは、「公益財団法人 日本数学検定協会」が実施している、計算や作図、統計といった数学・算数の実力を測る検定試験のことです。

 

記述式の試験なので、ただ解法を暗記するだけでは正解を導くことはできません。

一方で、正しい答えにたどり着けなかった場合も、途中式が合っていれば部分点をもらえる可能性があります。

 

また、試験は一次試験と二次試験に分けられており、一次試験は70%程度、二次試験は60%程度が合格ラインとなっています。

 

 

数学検定の難易度はどれくらい?

英検や漢検と同様に、数学検定も難易度によって階級が分けられており、自分の実力や目的に応じたレベルのテストを受験できます。

数学検定の難易度の目安は、以下のとおりです。

 

・5級:中学1年生程度

・4級:中学2年生程度

・3級:中学3年生程度

・準2級:高校1年生(数学1・A)程度

・2級:高校2年生(数学2・B)程度

・準1級:高校3年生(数学3)程度

・1級:大学・一般程度

 

5級の下にも、小学生程度に対応する6~11級(算数検定)や、幼児を対象にした「かず・かたち検定」があります。

具体的な数字は年度によって異なりますが、合格率は上の階級ほど低くなる傾向にあり、5級は70%前後の合格率がある一方で、1級は10%程度しかありません。

高校3年生レベルの準1級の合格率も20%台しかなく、難易度が高い検定試験といえるでしょう。

 

 

数学検定を受けるメリット1:入試で利用できる

数学検定は、英検や漢検に比べると知名度が低いかもしれませんが、受験するメリットはいくつか考えられます。

 

1つ目のメリットが、入学試験や単位取得で優位になる点です。学校によっては、数学検定取得者に対して入試で優遇したり、特定科目の単位取得を認めたりする制度を採用しています。

具体的にどの入試制度で適用されるか、どの程度の優遇を受けられるかは学校によって異なりますが、数学検定を持っていることで、他の受験生よりも優位に立てるかもしれません。

 

 

数学検定を受けるメリット2:自分の力を確認できる

数学検定は記述式の試験なので、内容を理解していないと正解を導き出すことができません。自分の現状の力がどれくらいなのか確認できる点も、受験するメリットといえるでしょう。

 

比較的時間に余裕がある1年生、2年生のうちに、力試しの一環で受験してみてはいかがでしょうか。

 

 

数学検定を受けるメリット3:就職などで役立つことも

就職の際に役立つことがある点も、数学検定を受験するメリットです。

数学検定の問題は、多くの企業が採用選考で利用している「SPI(適性検査)」の非言語分野の出題範囲と、準2級なら74%、3級なら53%共通しています。

数学検定を合格できる実力を身に着けることは、就活時のSPI試験対策につながるといえます。

 

また、一定の階級に合格すれば、エントリーシートや履歴書などに記載してアピールすることも可能です。就職活動やアルバイトで周囲の人との差をつけたい方も、受験を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

数学検定の勉強方法

難易度が高いとはいえ、数検は極端に難しい問題ばかりが出題されるわけではありません。学校で勉強してきた基礎がしっかりと身に着いていれば、合格を狙うことが可能です。

 

そのため、まずは学校で使っている教科書や問題集などを解き直して、勉強した内容が身に着いているかを確認してみてください。

ひとつずつ苦手な範囲を潰していけば、自ずと合格は見えてきます。

 

また、数学検定の過去問を解いて、出題形式や傾向に慣れておくことも大切です。サンプル問題はホームページから確認できるので、自分が受けたい級がどれくらいの難易度なのかを確かめてみても良いでしょう。

 

英検や漢検に比べるとマイナーな印象が拭えない数学検定ですが、受験することでたくさんのメリットを得られます。興味がある方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。