感受性の鋭い時期にこそ行いたい幼児教育

我が子には健やかに成長してもらいたいと、幼児教育に興味を持っている方もいらっしゃるでしょう。幼児教育にはさまざまな種類があり、それぞれ特色が異なります。

 

中でも「情操教育」は育児本などで目にすることが多いため、名前を知っているという方は多いかもしれません。

しかし、実際に情操教育とはどのようなもので、何を行えば良いのかご存じでしょうか。

情操教育とは

情操教育の「情操」とは、美しいものや優れたものに接した時に感動したり、相手を思いやったりする豊かな心のことです。情操教育は、言葉通り「子どもの心を育てる教育」のことを指します。

子どもにさまざまな経験をさせて、知的好奇心や道徳心、感情などを育むことと言い換えることもできます。

 

一般的に、人格形成には幼児期に受ける影響が大きく関係するとされています。基本的には、人を思いやる心や他人の気持ちを理解できるようになる、3歳頃から情操教育を始めると良いでしょう。

とはいえ、人の心や感情は何歳からでも成長するものです。3歳はひとつの目安として考え、子どものペースに合わせて取り組むことをおすすめします。

 

 

情操教育の4つの領域

情操教育は、「科学的情操教育」「美的情操教育」「道徳的情操教育」「情緒的情操教育」という4つの領域に分けることができます。4つの領域で、具体的にどのような教育を行うのでしょうか。

 

科学的情操教育は、子どもの知的好奇心を満たす教育です。身の周りの環境や事象に関する「なんで?」という好奇心を刺激することで、学びに対する姿勢を育てます。

 

美的(芸術的)情操教育は、音楽や絵画などの美しいものを見た時に、「きれいだ」などと感じる心を育てる教育です。豊かな感性や想像力などを育みます。

 

道徳的情操教育は、他の人を思いやったり、善悪を考えたりする力を養う教育です。協調性や社会性を身に着けることにも繋がります。

 

情緒的情操教育は、あらゆる生物の命を大切にする心を育てる教育です。動物との触れ合いなどを通じて命の尊さを知ることで、相手を尊重する心も養えます。

 

 

家庭でできる情操教育の具体例1:自然に触れる

自然の中で動物や植物に触れることで、命の尊さを学べます。自然の中で過ごすことで、季節の移り変わりを感じたり、生物に対する愛情を養ったりもできるでしょう。

 

また、自然との触れ合いの中で、「なぜこの動物はこんな姿なのだろう」「どうしてここにはあの植物が咲いていないのだろう」といった疑問を感じる機会も増えます。

知的好奇心や自分で考える力を育てられる点も、自然に触れるメリットです。

 

 

家庭でできる情操教育の具体例2:体を動かす

運動で心身ともに健康な体をつくることも、情操教育の一環です。体を動かす機会を積極的に設けてみましょう。体力づくりだけでなく、達成感や成功体験を増やすことにも繋がります。

 

また、サッカーや野球といった団体競技なら、相手の気持ちを理解する心を養うことも可能です。

 

 

家庭でできる情操教育の具体例3:絵本を読む

絵本には、日々の生活では体験できない世界が広がっています。登場人物も人間とは限らず、動物や植物、身近なアイテムなど多彩です。絵本の読み聞かせを行うことで、子どもの想像力や感受性を育てる効果が期待できます。

読書習慣を身に着けることにも繋がるでしょう。

 

 

家庭でできる情操教育の具体例4:芸術作品に触れる

音楽や美術といった芸術作品に触れて、表現方法や想像力を身に着ける機会も設けてあげましょう。音に合わせて体を動かすダンスなども、楽しみながら情操を育めます。

 

子どもが周囲の人の迷惑にならないか不安な時は、子ども向けのイベントを探してみるのもおすすめです。

 

情操教育と聞くと難しそうに感じますが、日常生活の中でも行えることはたくさんあります。子どもが好奇心を持って学べる環境を整え、情操教育にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。