子どものうちに育てたい「忍耐力」

人は、毎日のように何かを我慢しているものです。嫌なことや苦しいことがあっても我慢できる「忍耐力」は、生きていくうえで必要不可欠な能力といえます。

 

ただし、忍耐力は生まれた時から備わっている能力ではなく、成長する過程で身につくものです。子どもの忍耐力を鍛えるために、保護者は何をしてあげられるのでしょうか。

 

子どもの忍耐力を鍛える2つのメリット

子どもが忍耐力を身につけると、さまざまなメリットを得られます。

 

1つ目のメリットが、自己肯定感が育つことです。忍耐力があれば、目標達成に向けた努力を続けられるようになります。がんばって目標を達成したという経験を積み重ねることで、自信を得ることができるのです。

 

2つ目のメリットが、多少の失敗に動じなくなることです。何かに取り組む中で、失敗を避けて通ることはできません。忍耐力があると、目標達成までの道のりを長期的な視点で見られるようになります。

失敗を恐れずに挑戦したり、別の方法を考えたりする力を育むことにもつながるでしょう。

 

 

忍耐力が身につくのは何歳頃?

我慢という概念は、イヤイヤ期が始まる2歳頃から持ち始めるとされています。とはいえ、2歳の子どもは概念を理解できたとしても、実際に我慢するのは難しいでしょう。

 

子どもは、おおむね3歳頃に自制心が育ち始め、4歳頃になると認知力や言語力が発達するとされています。ものごとを判断したり、想像したりできるようになる4歳頃から、忍耐力を育て始めるのがおすすめです。

 

それまでは、ご飯は座って食べる、順番を守るなど、我慢しなければいけないことを根気強く伝えるようにしましょう。

 

 

忍耐力を鍛えるためにできる保護者のサポートは?

子どもの忍耐力を育てるには、保護者のサポートが欠かせません。育て方次第では、我慢ができないわがままな子どもになってしまいます。

保護者の方は、どのようにサポートしていけば良いのでしょうか。

 

 

目標を設定してあげる

忍耐力を鍛えるうえで最も重要なのは、達成感を得ることです。達成感は目標をやり遂げた時に得られるものなので、その過程で必ず我慢をするタイミングがあります。

 

目標を設定して、子どもが達成感を得られるようにサポートしてあげましょう。

ただし、難しい目標にいきなり取り組むと、子どもが諦めてしまう恐れがあります。

子どものできることを踏まえて小さな目標を立て、たくさんの達成感を得られるようにすることがポイントです。

 

 

集中しやすい環境を作る

子どもが集中しやすい環境を作ることも大切です。集中してひとつの物事を最後までやり遂げることで、子どもに自信が生まれます。

集中力が途切れてしまう恐れがあるため、子どもが何かに集中している時は、声をかけるのは控えることをおすすめします。

 

 

過程を褒めてあげる

結果ではなく、過程を褒めてあげることも大切です。努力していた点を褒められることで、次もがんばろうという気持ちが生まれます。

 

また、失敗は悪いことではないと教えることもコツです。「できないから」「失敗したから」と簡単に諦めることを覚えてしまうと、忍耐力は育ちません。

「続ければできるようになるかもよ」「もう少しがんばってみよう」などと、前向きな言葉をかけてあげてください。

 

子どもが諦めそうな時は、一緒にやってみようと声をかけるのも効果的です。

 

 

しっかりと説明する

ただ「我慢しなさい」と叱るだけでは、我慢はつらいというイメージだけを子どもに植え付けてしまいます。

 

我慢しなければいけない理由を、子どもにしっかりと説明してあげましょう。子どもの年齢に合わせて、できるだけわかりやすく説明してあげるのがポイントです。

根気よく伝えることで、我慢することの重要性を理解し、忍耐力を身につけてくれます。

 

子どもの忍耐力を鍛えるには、保護者のサポートが欠かせません。生きるうえで欠かせない忍耐力を、早いうちから鍛えてあげましょう。