注目を集めつつある「ピラミッドメソッド」

子どもの将来のことを見据えて、幼児教育に力を入れたいと考えている保護者の方は多くいらっしゃるでしょう。

しかし、モンテッソーリ教育やレッジョ・エミリア教育など、幼児教育にはさまざまな種類があり、考え方や手法が異なります。非認知能力を育み、健やかに成長させるには、子どもに適した幼児教育を取り入れることが大切です。

 

数ある教育法の中で、近年注目を集めている教育法に「ピラミッドメソッド」があります。

 

ピラミッドメソッドとは?

ピラミッドメソッドとは、オランダの政府教育評価機構「Cito(シト)」によって開発された、3~6歳の幼児向けの教育方法です。

子どもが自分自身で物事を選んだり、問題を解決したりする力を養うことに重点を置いているのが特徴です。

 

グローバル化やデジタル化が進み、急速に変化し続けている現代は、自分で考えたり、決断したりする力が求められる機会が増えています。

この決断力を鍛える方法として、ピラミッドメソッドが注目を集めています。

 

 

ピラミッドメソッドの4つの理念

ピラミッドメソッドという名前は、中心となる理論が四角錐(ピラミッド)型の構造になっていることが由来になっています。

ピラミッドメソッドの基礎となる4つの理念は、以下のとおりです。

 

 

理念1:子どもの自主性

子どもの自主性とは、子どもが自分で考えて行動する力のことです。「やる気」と言い換えると、わかりやすいかもしれません。

ピラミッドメソッドでは、子どもがやる気を持ち、自分の力を発揮できる環境を作ることが重視されています。

 

理念2:保育者の自主性

子どもだけでなく、保育者の自主性や働きかけも重視されているのが特徴です。子どもの自主性を育むために、子どもの性格や興味を考慮して、一人ひとりに合わせて教育を行います。

 

 

理念3:寄り添うこと

保育者との関係は、子どもに大きな影響を与えるものです。子どもの発達に合わせて、必要に応じて手助けする姿勢も、ピラミッドメソッドの基本的な理念になります。

 

理念4:距離を取ること

大人から見ると、子どもの行動は突拍子がなかったり、危なっかしく感じたりするものです。しかし、子どもの行動に大人が手を出してしまうと、子どもが成長する機会を奪ってしまいかねません。

ピラミッドメソッドでは、過保護になりすぎないよう適度に距離を置き、子どもに挑戦させることで、子どもの能力を成長させていきます。

 

 

ピラミッドメソッドのメリット

ピラミッドメソッドは、子どもの自主性を育てることが目的の幼児教育です。ピラミッドメソッドのプログラムを経て、子どもは自分で決断したり、意思表示したりできるようになります。

 

子どもが自分で学ぶことを重視する教育法なので、自分で何かを解決するための思考力を身に着けられるのもメリットです。

また、子どもの興味の幅が広がり、自分で物事を調べたり、勉強したりする習慣が身に着きやすい点も、ピラミッドメソッドを取り入れるメリットといえるでしょう。

 

 

ピラミッドメソッドにデメリットはない?

さまざまなメリットがあるピラミッドメソッドですが、デメリットもいくつか考えられます。

 

1つ目が、ピラミッドメソッドは勉強を教える教育ではない点です。小学校に入ってから苦労しないようにと、読み書きや計算などを教えたい保護者の方からすると、物足りなさを感じるかもしれません。

 

2つ目に、小学校でギャップを感じる可能性がある点です。ピラミッドメソッドでは自主性を重視するため、協調性を求められる機会が多い小学校では、戸惑いを感じることもあるでしょう。

また、日本国内でピラミッドメソッドを受けられる教育施設が限られている点も、デメリットといえます。

 

ピラミッドメソッドは、子どもの自主性を一番に考えて、自分で問題を解決する力を育む幼児教育です。子どもの考える力を養いたい保護者の方は、ピラミッドメソッドを検討してみてはいかがでしょうか。