大学受験に失敗した時の選択肢

大学受験は、受験生全員が第一志望に受かるわけではありません。第二志望や滑り止めには受かったものの、本命の大学には落ちてしまうというケースもあるでしょう。

それでも、第一志望の大学を諦めきれないという時は、浪人や編入という選択肢を取ることができます。

 

浪人と編入のどちらが良いのかを判断するには、それぞれの違いを知ることが大切です。

 

浪人と編入の違い1:受験科目

受験する大学や学部にも左右されますが、浪人で一般入試を選択した場合は、私立大学の文系で英語・国語・社会、理系で英語・数学・理科の3教科を受験します。

国公立大学は大学入学共通テスト(旧センター試験)を受ける必要があるため、5教科7科目ほどを受験するのが基本です。

 

一方で、編入では大学が独自に設定した編入試験を受験します。大学によって具体的な内容は異なりますが、英語・学科に関連する専門科目・小論文を課す形式が一般的です。

また、面接を行うケースも見られます。

 

 

浪人と編入の違い2:試験の時期

入学試験の時期も、浪人と編入で大きく異なります。浪人は、通常の大学入試が行われる1~3月に受験を行います。

一方で、編入試験は6~2月と、大学によって試験の時期が大きく異なります。編入を希望する際は、事前に試験の時期を確認しておきましょう。

 

また、編入試験は全ての大学が実施しているわけではありません。編入を受け付けていないケースや、一部の学部学科のみ受け付けているケースもあるため、希望する大学が編入試験を実施しているかどうかの把握も必須です。

 

 

浪人と編入の違い3:試験難易度

浪人と編入では、試験の難易度の質が異なります。

浪人は編入よりも受験科目が多くなるため、対策するべき範囲も自ずと広くなります。特に、国公立大学志望だと5教科以上を勉強しなければいけません。

入試の倍率も、編入学と比較して高めです。

 

一方で、編入学試験は一般入試より科目数こそ減るものの、英語や専門科目の試験で求められるレベルは上がります。試験の情報が少なく、独学での対策が難しい点にも注意が必要です。

 

 

浪人と編入の違い4:入学年次

入学する年次も変わります。浪人は、高校卒業後に進学せずに試験対策を続けて大学受験に挑むため、合格すれば新1年生として入学可能です。

 

対して編入では、一度大学に入学した後に、別の大学への編入学を目指すことになるため、1年次の試験に合格すれば新2年生、2年次の試験に合格すれば新3年生として入学します。

 

このように、浪人と編入はさまざまな面で違いがあります。それぞれのメリット・デメリットを見極めて、どちらが自分に合っているのか判断することが大切です。

 

 

浪人するメリット・デメリット

浪人を選ぶと、合格すれば新1年生として大学生活をスタートできます。浪人して大学に合格する人も多くいるため、人間関係の構築で悩む心配は減るでしょう。

全ての大学が一般入試を実施しているので、さまざまな選択肢の中から、自分が希望する大学・学部を選ぶことができる点もメリットです。

 

一方で、予備校費や生活費など、費用面での負担は大きくなります。志望校に合格するために複数年浪人を続けるとなると、その分多くの費用が必要です。

同級生が進学したり、就職したりする中で、勉強のモチベーションを保ち続けなければいけないため、精神的な強さが求められる点もデメリットといえるでしょう。

 

 

編入するメリット・デメリット

編入を選ぶメリットは、心理的な負担を減らせる点です。編入試験がうまくいかなかったとしても、その時点で入学している大学に籍を置き続けることができます。

合格すれば他大学の2年または3年生に移行できるので、時間や学費の無駄が発生しにくい点も魅力です。

 

ただし、編入試験を実施していない大学もあるため、一般入試に比べて選択肢は限られます。例年は編入試験を実施している大学だとしても、募集中止や募集人数の削減などを行う可能性も捨てきれません。

一般入試よりも制限が多い点は、編入の大きなデメリットです。

 

 

仮面浪人という選択肢はあり?

浪人や編入ではなく、仮面浪人という選択肢を選ぶことができます。仮面浪人とは、志望校に落ちてしまった人が、合格した大学に通いながら再び一般入試での志望校合格を目指すことです。

 

一般的な浪人生と異なり、仮に不合格になったとしても、大学生という立場はキープできます。編入試験を実施していない大学・学部に入学することも可能です。

 

ただし、大学の授業や課題をこなしながら受験勉強を行うことになるため、時間が圧倒的に不足します。周囲の友人が大学生活を満喫する中で勉強し続けなければいけない点や、大学に通う年数が長く学費負担も増える点もデメリットです。

苦労することが多いため、強い意志を持っている人以外には、おすすめの方法とはいえません。

 

浪人と編入、仮面浪人のいずれも、志望校合格には相応の努力が不可欠です。

それぞれメリット・デメリットが異なるので、自分にはどの選択肢が合っているのかを考えて、判断するようにしましょう。