公立中高一貫校、全国にはこんなにあるここ10年あまりで、中学受験において独自の地位を築いた公立中高一貫校。その数は増加を続けています。一般的に公立中高一貫校と呼ばれる「併設型公立中高一貫校」「公立中等教育学校」の数は、平成25年現在全国に100校以上設置されており、今後も各地で新規開設が予定されています。近年は中高6年間を修了した生徒が大学受験で高い実績を挙げ、ますます注目度が高まっています。特に難関とされる東京都立小石川中等教育学校は、中学受験模試でもいわゆる「御三家」や早稲田・慶應の系列中と同格に位置づけられるほどで、すでに難関校の地位を築いています。  公立中高一貫校の特徴とメリット公立中高一貫校には上記のとおり「併設型」と「中等教育学校」があります(人口の少ない地域に多くみられる「連携型」もありますがここでは省略します)。「併設型」では通常高校入学時の追加募集があるのに対し、「中等教育学校」は6年一貫教育のみを行います。一方、両者ともに共通する長所は①中高6年一貫教育を行う②大学進学に重点を置く③学費が安いといった点です。これらの特徴の中に、公立中高一貫校が人気化する理由があります。いったん入学すれば高校受験が必要なくなり、私立中高のような学年相当より進んだ授業も行われるため、大学受験に向けて余裕を持った準備ができます。選ばれた生徒が集まるため、生徒たちの学習意欲も高く、上を目指す雰囲気が生まれます。さらに都道府県の期待を集める学校なので、優秀な先生が配置されることが多く、難関大学合格を可能にする教育体制も整っています。そして学費は通常の公立中高に通うのとほぼ変わりません。子どもを難関大学や地元の国立大学に進学させたい家庭にしてみれば、まさにいいことづくめです。  中学受験を考えるなら、公立中高一貫校も選択肢のひとつ近年の公立中高一貫校入試は、地域によってはかなりの高倍率になっており、合格するのは簡単ではありません。適性検査・作文といった独特な入試方式に慣れるためにも、早いうちからの対策が必要です。しかし、それを差し引いても公立中高一貫校には多くの長所があります。進路目標が有名私立大で、大学受験なしでエスカレーター式に入学させたいという場合は私立大の附属校を目標とすべきですが、子どもに国公立大へ進学してほしいと考える家庭にとっては、公立中高一貫校は非常に魅力的な存在です。中学受験を検討する際には、ぜひ公立中高一貫校も候補に入れることをお勧めします。