明日から使える、小論文テクニック【3】問題設定
書きやすい問題、書きにくい問題小論文の課題には、「○○するべきかどうか、あなたの考えを述べなさい」あるいは「筆者の考えに賛成か反対かを明らかにして、あなたの考えを述べなさい」というように、イエスかノーかの二択になっている問題もあれば、「○○についてあなたの考えを述べなさい」という問い方をしているものもあります。前者はよく『イエス・ノー型』といわれ、イエスかノー、どちらかの立場に立てばよいので、比較的自分の立場を決めやすい問題です。それに対し、後者は二択になっていないため、いざ書こうとしたときに迷ってしまいがちです。自分の考えをまとめ、きちんと理由を挙げて論じていかなければならない小論文において、立場をはっきりさせにくい問題は受験生にとって『書きにくい』ものです。 書きにくい場合は、まず『イエス・ノー型』で考えてみるここで、書きにくい問題を書きやすくするコツがあります。それは、『イエス・ノー型に持ち込む』というものです。例えば、『最近の若者は内向き志向だ』という課題文を読んで考えを書くという問題があるとします。ここで、まず「最近の若者は内向き志向か?」という問いを立ててみるのです。こうすることで、イエスかノーか、どちらかの立場に立って答えることができます。あとは、自分が選んだ立場について、理由や背景を挙げて説明していくことで、小論文の流れができてきます。この手法は、イエスかノーかで答えられる内容なら、どのような問題にでも応用することができるので、知っておくと役立ちます。 筆者と同じ立場に立つときの注意点ここで、『イエス・ノー型』で小論文を書くときに気をつけるべきことを挙げておきます。筆者の意見に賛成、あるいは筆者と同じような立場で書くことは多いと思いますが、その時に筆者の意見をそのままなぞるような形は避けましょう。なぜなら、小論文はあくまで『あなたの考え』を求めるものだからです。入試問題に使われるような著名な著者の文章ですから、意見として納得できるものは多いでしょうが、だからといって「私は筆者の意見に全面的に賛成だ」という文を書いても、採点する側はあなた独自の考えを期待しているので、評価は低くなってしまいます。そのため、筆者と同じ立場に立って書く場合は、少し目線を変えて論じてみましょう。筆者が挙げているのとは違う理由を挙げる、あるいは考えられる対策や展望など『一歩先』の部分にふれることで、筆者の意見との間に差をつけることができます。応用範囲の広い『イエス・ノー型』を使いこなして、小論文のレベルアップを図っていきましょう!