222(コラム)

脳のはたらきから考える、記憶に残りやすい勉強のしかた

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人間の脳は、忘れるようにできている勉強していて誰もが思うのは、「どうして前に勉強したことを忘れてしまうんだろう。」ということです。授業で習ったときは覚えていても、しばらくたつときれいさっぱり忘れていた……なんてこともよくある話です。残念ながら、忘れてしまうことは、人間の脳の特性上仕方がありません。私たちの脳は、忘れるようにできているのです。  『忘却曲線』からわかる、復習の重要性実は、脳が忘れるはたらきについては、科学的に研究されています。その中でも、ドイツのエビングハウスという心理学者が発表した『エビングハウスの忘却曲線』が特に有名です。これは、全く意味のない音節を記憶し、一定時間後にどのくらい再生できるかを調べたものです。それによると、20分後には42%、1時間後には56%、1日後には74%を忘れてしまうという結果が出ています。つまり、1日後までに覚えたことの4分の3を忘れてしまうというわけです。それに対し、1週間後は77%、1ヶ月後は79%と、忘れるスピードは急速に落ちていきます。すなわち、覚えたことを復習しない場合、1日後には大半が記憶から抜け落ちてしまうということになります。このことから、復習がいかに大事であるかがわかります。まったく復習をしなければ、4分の3が抜け落ちた状態で次の勉強に進むわけです。前に習ったことと関係のある内容を習う場合、前に習った知識が穴だらけでは、当然ながら理解度は下がってしまうでしょう。  その日に習ったことは、その日のうちに復習しよう!というわけで、忘れてしまう自分の脳とうまく付き合いながら勉強を続けていくためには、復習が不可欠です。特に、記憶が抜け落ちやすい翌日までの復習が重要です。授業で習ったことは、その日のうちに復習するのがベストです。当日できなかった場合は翌日に復習しましょう。こうした早いうちからの復習を続けていくと、記憶が残りやすくなるため、きっと勉強が楽になるはずです。また、その日のうちの復習は、脳のはたらきの別な面からも効果があるとされています。実は、寝る前に覚えたことは記憶に残りやすいということがわかっています。つまり、寝る前に復習する習慣をつけておくと非常に有利ということになります。逆にいえば、寝る前のゲームや携帯電話はやめましょう。ゲームの内容、友達とやりとりした内容ばかりが記憶に残ってしまいます。その日に習った内容を寝る前に復習、これを心がけてみてください。きっと、テスト前に改めて復習をしたら、その違いを体感できるでしょう。

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