222(コラム)

『子どもの学習費調査』にみる、現代の教育費事情

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『子どもの学習費調査』って?

『子どもの学習費調査』という統計資料があるのを知っていますか? これは、文部科学省が発表しているもので、学校教育費、学校給食費、そして塾や習い事などの学校外活動費について、平均してどのぐらい掛かっているのかがまとめられているものです。文部科学省という教育をつかさどる公的機関が実施しているため、統計としての価値も高く、教育費に関する資料としては最も広く活用されています。幼稚園から高校までの各学校について、公立・私立に分けて発表されているので、自分には1年間にどのぐらいの教育費がかかっているのかを知ることができるようになっています。

子ども1人に教育費はいくらかかるの?

では、平成25年現在の最新版である、平成22年度『子どもの学習費調査』をもとに、1年間に子ども1人あたりの教育費はどのぐらい必要なのか見てみましょう。(出典:文部科学省ホームページ)

まず小学校では、年間の教育費総額は公立で304,093円となっています。公立小学校は義務教育なので学校教育費は安く、54,929円しかかかっていませんが、学校外活動費は206,937円と学校教育費の4倍近くにものぼります。現代の小学生は塾や習い事に通うのが当たり前なので、これらの費用がどうしても多くなるのです。ちなみに私立小学校の場合、教育費総額は1,465,323円と公立の4.8倍にもなります。

次に中学生です。学習費総額は、公立459,511円、私立1,278,690円とやはり私立のほうが公立よりかなり高くなっています。月あたりでは、公立約38,000円に対し私立では約107,000円。私立中学に進学すると保護者に大きな負担がかかることがわかります。

そして高校生では、学習費総額は公立393,464円に対して私立922,716円。「あれ、どうして中学より安いの?」と思う人が多いと思いますが、これには2010年から国が行っている『高校無償化』が影響しています。国公立高校では授業料相当額が国から支給されているので実質的に授業料はかかっていません。一方、私立高校でも、保護者の収入によって額は変わりますが、国から学校に支援金が支給されるため、中学よりも授業料は安くなるのです。

 

高校まで公立と、中学から私立。学費の差は?

このデータを基に、『小学校から高校まですべて公立』と『公立小学校から、中学受験して中高は私立』という2つのパターンについて、小学校から高校まで12年間の教育費を計算してみました。すると、すべて公立の場合は4,383,483円ですが、中学から私立だと約2倍の8,428,776円となりました。やはり、私立に通うと学費はかなり高くなるようです。

 

学費を出してくれる保護者に感謝を!

これだけの学費を払うには、もちろん保護者の方々が一生懸命働いてお金を稼がないといけません。小中高12年間の学費だけで、大人の年収約1~2年分にあたります。社会に出て働き始めるとわかりますが、毎年毎年家族のためにお金を稼ぎ続けるのは非常に大変なことです。

みなさんは、家族といる時、きっと嫌な思いをしたり反抗したりすることもあるでしょう。でも、保護者の方々なしでは、みなさんは学校生活を送ることはできないのです。みなさんの学費を出し、そして生活を支えてくれている保護者の方々に対する感謝の気持ちを、ぜひ忘れないでください!

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