222(コラム)

長文問題、『木を見て森を見ず』になっていませんか?

c-20140711

読解問題の本文、ただ読むだけではダメ?国語や英語の難しそうな読解問題を前にしたとき、みなさんはどんなことを考えながら読みますか?読解問題は、漢字などの知識問題を除けば、本文を読まないと解けない問題がほとんどです。そこで当然、本文を読んで解くことになりますが、このとき「とにかく一文ずつ読んでみよう」という態度で、がむしゃらに読んでいる人はいませんか? 実は、こうした読み方は、効率が悪いだけではなく、正解への手がかりを見つけ出すチャンスを逃すことにもなりかねないのです。 『木を見て森を見ず』に気をつけよう難しい本文を一生懸命読もうとすること自体は、決して悪いことではありません。怖いのは、一つひとつの文の読み取りばかりにとらわれるあまり、文章全体の流れが見えなくなることです。ことわざを借りて説明すれば、まさに『木を見て森を見ず』という状態です。入試で出題される文章、とりわけ評論文のような論理的文章は、一つひとつの文どうしが論理的につながって構成されています。ここで、それぞれの文(=木)の読み取りにばかり気を取られていると、文章全体(=森)の姿が見えなくなってしまいがちです。 意味のまとまりから、文章全体の論理展開を読み取ろう論理的な文章において、筆者は精密な論理を組み立てながら執筆しています。そして、出題者もそのことを理解しているので、文章を構成する論理が読み取れているかを試す出題を行います。そのため、論理展開に注目するのとしないのとでは大違いなのです。こうした論理展開をつかむ上では、一文一文を一生懸命読むよりも、一歩引いて段落ごとの意味のまとまりや段落どうしのつながりに注目するほうが有効です。「この段落はどの文も同じことを言っているな」とか、「この段落から新しい話題になっているぞ」といったことを確認していくとよいでしょう。こうした意識を持って読んでいければ、自然と文章全体の論理展開も理解しやすくなります。 『木を見て森も見る』読み方を身につけようもちろん、『木』、すなわち一文一文の読み取りをおろそかにしていいわけではありません。しかし、『森』の様子が見えていれば、1本1本の『木』の様子も余裕を持って理解できるようになります。特に、評論文の筆者がしばしば用いる『言い換え』に気づけると、「この文は前の文と同じ内容だ」という判断ができ、その文を一生懸命理解する手間が省けます。慣れてくると、この言い換えを利用して、文章をより早く読みこなすことができるようになります。当然、試験時間にも余裕が生まれますし、正解率も上げやすくなります。ぜひ、このような『木を見て森も見る』読み方を身につけてください!

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