家庭学習ができる子どもは、どこが違う?
家で勉強する子、しない子子どもが家で勉強しないことに悩み、「うちの子も何とか家で勉強するようになってもらいたいんだけど……」と思っている親は非常に多いことでしょう。しかし一方では、親が何も言わなくても、自ら進んで家庭学習に取り組み、着実に学力を伸ばしていく子どももいるのが事実です。家庭学習ができる子どもとできない子どもの違いは、いったいどこにあるのでしょうか。そこで家庭学習ができる子を見ていくと、いくつかの共通点が浮かび上がってきます。 『わかる楽しさ』がもたらす好循環家庭学習ができる子どもの多く、特に低学年の子どものほとんどは勉強好きです。テレビやゲームなどと同じで、勉強も楽しいから夢中になって取り組んでいるのです。では、なぜ勉強好きになるのでしょうか? 答えは『わかる楽しさ』にあります。「わかった!」「問題が解けた!」というときに楽しいと思うのはだれでも同じです。勉強好きな子どもは、この『わかる楽しさ』を知っているので、積極的に勉強にチャレンジし、どんどん『わかる楽しさ』を味わっていきます。すると、脳が鍛えられ、学力が伸びるので、理解できることや解ける問題が増え、さらに『わかる楽しさ』を味わえるチャンスが増えます。こうして、「わかる→楽しい→どんどん勉強する→もっとわかる→もっと楽しい→……」という好循環が生まれるのです。 強い目的意識が、子どもを自然と机に向かわせる家庭学習ができる子どものもうひとつの共通点は『勉強する目的をしっかり持っている』ことです。「テストでいい点をとる」「受験に合格する」「将来○○になる」など、彼らの目的は様々ですが、それでも何かしらの目的を持って勉強しています。ただ勉強が好きなだけでなく、勉強を通じて成し遂げたい目的があるという意識が、彼らを自然と机に向かわせているのです。 『わかる楽しさ』を体験させ、目的を持たせよう以上のことから、子どもを勉強好きにし、自主的に学習できる子どもを育てていくために必要なことがわかります。まず、勉強をつらい、苦痛なものとしてではなく、楽しい、おもしろいものとしてとらえるきっかけが必要です。子どもには、できるだけ低学年のうちから、勉強が楽しいと思える体験をどんどんさせましょう。得意な科目の勉強をどんどんさせるのも一つの手です。あるいは、実験や観察など、子どもが実際に体験できる学習に参加させるのも効果的です。次に、子どもと将来の人生について話し合い、将来の夢やなりたい職業などについてできるだけ具体的な目標を持ってもらうことが重要です。将来なりたい自分像がはっきりしている子どもほど、目的を持って真剣に勉強に取り組むようになります。そして、子どもが真剣に勉強に取り組んでいるときには、必ず子どもをほめ、がんばりをねぎらうようにしましょう。周囲にがんばりを認めてもらうことで、子どもはさらに勉強しようという意欲がわいてくるものです。伸びる子を育てるには、親がほめる姿勢も欠かせないものといえます。