大学入試古文 和歌問題はこう読み解く!
大学入試古文の頻出パターン、和歌問題大学入試の古文では、和歌が入った文章がしばしば出題されます。近年のセンター試験古文では、擬古(ぎこ)物語など和歌を含み、しかも受験生がほぼ目にしたことがないであろう文章の割合が高くなっています。2014年度試験では傾向が変わり、出典は超有名である『源氏物語』、しかも和歌を含まない部分からの出題でしたが、和歌を含まないほうが珍しい近年の傾向を考えると、引き続き和歌には注意が必要といえます。また、国公立大2次試験や私立大の試験問題でも、和歌はやはり頻出です。特に私立大の場合は、『伊勢物語』『大和物語』といった有名な歌物語、あるいは『源氏物語』など和歌を多数含む物語がよく出題されるので、和歌への対策は必須です。 和歌が出てもあきらめるな!和歌を苦手とする受験生は多いようです。しかし、和歌の問題にも対処法はあり、それを実践していけば必ず読み解けるようになるので、和歌が出たからといってあきらめることはありません。以下に、和歌が出題されたときの基本的な対処法をご紹介します。 まずは『五七五七七』に区切り、意味のまとまりを確認和歌は『五七五七七』の三十一音で詠まれます。和歌を解釈する際は、まず『五七五七七』のリズムで和歌を区切り、切れ目に線を引いてみましょう。これだけで和歌は読み解きやすくなります。そして、今引いた線の中で、意味の上での大きな切れ目を探します。『五七五』の上の句と『七七』の下の句に分かれる三句切れのパターンが多いですが、初句や二句目の終わりに意味の切れ目があるという場合もみられます。 心情を表す部分を探せ!意味のまとまりが見つかったら、次に和歌を『風景を表す部分』と『詠み手の心情を表す部分』に分けていきます。このとき、圧倒的に重要度が高いのは後者です。心情を表す部分を注意して探すようにしましょう。多くの和歌には詠み手の心情が読み込まれています。出題者は、物語や文章の展開上重要な、和歌に詠み込まれた人物の心情が読み取れているかを問うてきます。そこで、心情を表している部分を和歌中から見つけ、そこをしっかり解釈する必要があるのです。逆に、風景を詠んだだけの和歌は、読解上あまり重要ではないので、軽く読み流していけばよいでしょう。 普通の文と同じように読んでみる和歌に対して抵抗がある人のほとんどは、掛詞など和歌特有の修辞法などに苦手意識を持っています。こうした人は、「修辞法が苦手だから、和歌も苦手」となってしまっていることが多いようです。しかし、和歌に慣れるまでは修辞法をあまり気にせず、普通の文と同じように読み下してみましょう。大まかな意味、特に詠み手の心情がつかめれば十分です。特にセンター試験では、修辞法が使われている場合は選択肢を見れば分かるので、修辞法を警戒しすぎて神経質になることはありません。あくまでも、重要なのは詠み手の心情を素早くつかむことです。 前後の流れにも注目そして、和歌の大意をつかむ上でのもう一つのポイントが『前後の流れ』です。和歌は何の脈絡もなしに突然登場することはまずありません。和歌の前には、和歌を読み解くヒントが書かれています。なので、和歌の前に描かれた風景や登場人物の心情を押さえてから和歌を読み解くようにしましょう。以上のポイントを押さえて読み解けば、和歌は意外と普通に読めてしまうものです。和歌に苦手意識があるという人は、ぜひ上記のポイントに注目してみてください。