222(コラム)

古文に強くなる『国語便覧』の使い方とは?

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持っていてもあまり使われない『国語便覧』高校生になると、学校の教科書や問題集といっしょに『国語便覧』というものを購入することが多いです。教科書と同じぐらいか、時にはそれ以上の厚さがあり、開いてみると、カラフルで、写真や絵などもふんだんに入っています。古典の主な作品やその時代背景、主な文学者・作家などの説明、あるいは文学史の解説などが載っており、高校で国語を学習する際には役立つ一冊です。このように、見た目にもわかりやすい工夫がされており、学習に役立つ国語便覧ですが、なぜか普段の授業ではあまり使われていないようです。高校生に話を聞いてみると、「買った覚えはあるけど、一回も使ったことがない」といって、家にほぼ新品の国語便覧をずっとしまったままになっている生徒もいたりします。 古典の学習で、国語便覧を活用しようしかし、この国語便覧、使わないのはあまりにもったいないです。国語便覧をうまく活用すると、国語、特に古典の作品がより深く理解でき、入試にも役立つからです。国語便覧の大きな特長のひとつは、多数のカラー資料にふれることができることです。古典文学においては、作品を理解するためにその時代背景や登場人物たちの暮らしを知ることが必要になります。たとえば、『源氏物語』『枕草子』などの平安文学では、平安京内の宮殿、あるいは貴族の屋敷を主な舞台として、現代とは全く違う当時の貴族生活が描かれています。しかし、現在私たちが当時の貴族たちが暮らしたような住居を目にする機会はほとんどありません。そこで国語便覧の出番です。まず、『源氏物語』『枕草子』などの古典作品を学習する際、常に便覧を手元に置いておくようにしましょう。本文を読んでいると、必ずといっていいほど知らない言葉が登場しますが、それらの意味を辞書で調べるだけでなく、国語便覧でも確認してみることです。国語便覧に収録されているものは、住居・衣服など当時の生活に関するものが中心なので、ピンときたらすぐ調べるようにしましょう。きっと、場面がよりイメージしやすくなり、本文の理解にも役立つはずです。 当時の生活に強くなっておくと、入試でもトクをするまた、国語便覧に収録されている当時の生活に関する事項、すなわち『古典常識』は、入試でもしばしば出題されます。私立大では、古典常識の知識を問う問題がそのまま出題されることがあります。私立大受験者で古文が必要な人は、ぜひ国語便覧を利用して古典常識の知識を増やしていくようにしましょう。また、センター試験ではこうした古典常識がそのまま出題されることはまずありませんが、大量の本文をすばやく読みこなさなければならないセンター古文では、古典常識の知識を利用すると状況がイメージしやすく、読解の助けになることがしばしばあります。貴族の生活など、センター古文で出題されやすい平安時代に関する事項は、ぜひ国語便覧でチェックしておきたいものです。

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